悩んでいる・諦めかけている方へ。50代でも合格できます、テクニカルプライズ

スキー

スキーを続けるモチベーションの一つにスキー検定があります。
2級、1級、そして準指導員、指導員は、頑張れば、ほぼ全員が合格することができます。
しかし、1級とテクニカルの間には高い壁があり、越えられずに多くの方が諦めてしまいます。

私も、何度も諦めかけたり大怪我で強制終了になる危機もありましたが、なんとか50歳でテクニカルプライズに合格することができました。
1級合格後、四半世紀、25年も経っていました。

 

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対象者

ひとりでも多くの方が、諦めずにテクニカル合格を目指してほしいと思い、本ブログを書くことにしました。
その中で、特に読んでいただきたい方々です。

参考になる(かもしれない)人

  • 雪が降らない地域生まれ・育ちで、大学に入るまでスキー経験はほぼ無し
  • 大学でファンスキー(スキークラブに入っていない)
  • スキー検定受験は社会人になってから
  • 1級合格から10年以上経過
  • スキーの再開を危ぶまれる大怪我をしたことがある
  • 脚力無し(片足スクワットを頑張って1回)
  • テクニカル合格を諦めかけている人

参考にならない(かもしれない)人

  • 運動神経抜群
  • 学生時代に運動部・クラブ活動として本格的にスキーに取り組んだことがある
  • 柔軟性が高い方(10代、20代)

お気づきかもしれませんが、「参考になるかもしれない人」にあげた項目は全て私のことです。

 

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スキー歴と運動神経

スキーはスポーツなので上達の速度は運動神経と関係してきます。
先ず始めに、私がどのくらい運動が出来たのかをお話しします。
地方の小都市で育ち、小・中学校は1学年3クラス120名(男子60名)ぐらいでした。
運動会は3チームに分かれて対抗戦が行われていました。
小学校高学年から中学3年間は各クラス男女4名づつ計8名が選ばれる、チーム対抗リレーのメンバーに選ばれていたので、短距離は12/60(上位20%)に入っていたと思います。
一方、球技はからっきしでした。
野球が盛んで、一学年に男子が60名しかいない学区内に地域ごとに5、6チームがあり対抗戦を行っていましたが、ずっと補欠でした。
高校ではバスケットボール部に入部しましたが、練習についていくことができず、半年で退部しました。
このように、決して運動神経が良い方ではなく、特に複雑な動きが必要な球技は不得意でした。

スキー歴

初めてスキー場に行ったのは3歳の時で、親におんぶされて滑ったようですが、まったく記憶になりません。
初めて自分で滑ったのは、高校2年生の時の課外授業でした。
ひたすら二の字歩行で斜面を登った記憶はありますが、リフトに乗ったかどうかは定かではなりません。
大学に入り、体育の授業でスキー合宿(集中授業)が当たったのが、本格的にスキーを始めたきっかけです。(注:希望者が多い授業は抽選でした。)
1年生の12月頃、狭山スキー場で足慣らしをし、年明けに野沢温泉スキー場で1週間の合宿を行いました。
大学時代は、友達とバスツアーにでかけ、社会人になっても、年間30日前後は滑っていたと思います。
その後、一時期倦怠期もありましたが、現在まで40年近く滑っています。

スキー検定歴

スキー検定に興味を持つようになったのは、新卒で入社した会社にテクニカルや1級を持っている先輩がいて、その方々と一緒にスキーに行くようになってからです。
入社当時の実力は2級に程遠く、先輩方と同じスポーツをしているとは思えませんでした。
先輩たちのアドバイスで、(たぶん)社会人2年目で2級、3年目で1級に合格することができました。

受験者に夢を与える、スキー2級検定合格記 はこちら
懐かしい思い出です、2度のスキー1級合格記 はこちら

しかし、そこからが長かった。
テクニカル初回受験は、1級に合格した年でしたが、まったくレベルが違いました。
その後も、何で点数がでないか分からないまま月日が流れ、テクニカルに合格したのは1級合格から約25年後、50歳の年でした。

【初回、2回目】現実が分かっていなかった、テクニカル受験記 はこちら
【3、4回目】初めての種目別合格点、テクニカル受験記 はこちら
【5回目】前走は五輪銅メダリスト、テクニカル受験記 はこちら
【6回目】石の上にも四半世紀、テクニカル受験記 はこちら

 

合格までに時間がかかった理由

独学

合格までに時間がかかった一番大きな理由は、若く伸び盛りの20代の時に独学で滑っていたことです。
要は、ほとんどレッスンに入ることが無く、ただただ滑っていました。
一緒に滑りに行く人にテクニカルを持っている人もいて、ポイントで教えてはもらえましたが、フリーで滑っているのでしっかりとレッスンをしてくれるころはありません。
40歳を過ぎ、コブレッスンを受けるようになったことで転機が訪れました。
コブにはまり、スクールのシーズン券を購入し毎週末レッスンを受けるようになったことで、今まで基本的なことを知らなかったことに気が付き、また指導者の重要性を実感しました。

玉石混淆(交)の情報

一部マニアの方の間で、暗黒の10年と呼ばれていた時期があります。
当時のスキー雑誌は、毎年目まぐるしく変わる滑り方の解説のオンパレードで、今のようにyoutubeで基本がしっかりしている海外の情報が手に入る時代ではなかったので、雑誌に書いてある滑り方を信じ切っていました。
しかし、どこかの時点で自分には合わないことに気が付き、海外で出版されるスキーの技術解説書を読むようになり、現在の滑りを目指せるようになりました。

粉砕骨折

30代半ば、スキーの滑走中、小回りをしていた時に、いきなり右足の脛骨、腓骨が折れてしまいました。
骨は粉々に砕け散り、30個以上の金具でつなぎ合わせる大手術でした。
術前の説明で、普通に歩くことができなくなることも覚悟しておくように言われましたが、手術は成功し、先生方と看護師、そしてリハビリ担当の方々のおかげで、ちょうど60日で退院することができました。
その後、日常生活に戻るためのリハビリを数年続け、スキーブーツを自分の足の力だけ(注)でビンディングに着けれるようになったのは5、6年後のことでした。
(注:手でビンディングのヒールピースを押し上げながら、右ブーツを装着していました)

 

合格に必要なこと

運動神経が良いわけではなく、大きな怪我を負い、そして40歳を過ぎてから本格的にレッスンに入るようになったという、けっして恵まれている条件ではなかったわけですが、それでも努力を続けることによっていテクニカルプライズに合格することができました。
テクニカルを目指して練習を続ける中で、特に歳を重ねた方が合格するために必要だと考えたことを共有します。

指導者

テクニカルプライズを受験している方であれば、どなたかの指導を受けていると思います。
どの指導者の方も真剣に、そして最善と思うことを指導してくださると思いますが、「その時の自分」に最適かどうかは別問題です。
人により骨格、筋力が違うので言われたとおりにできるとは限りらず、また、スポーツにはどうしても感覚でしか伝えられない部分があります。
滑りに行き詰まり、どうしても打開できないときは、他の指導者の意見を聞いてみることも重要だと思います。
そして、その部分を乗り越えたら、また元の方のもとに戻ればよいのです。

私は、指導者の方々には恵まれて、数多くの全日本技術選手権出場者、10名以上の現・元ナショナル/SAJデモンストレーターなどに教えてもらっています。
半数以上の方とはリフトで乗り併せたら世間話をできるくらいのお付き合いがあるので、聞けば感覚的な部分でも教えてもらえます。
みなさん、滑り方については似たレッスンを行いますが、滑っている感覚を聞くと、まったく違うことを言ったります。
悩んでいるとき、自分にあう感覚の人から詳しくお話を聞くことが大変役に立ちました。

検定の戦略を練る

種目別の滑り方

年齢を重ねてプライズテスト合格に燃えている方にまず認識してほしいことは、今の滑りの延長線上に合格は無いということです。
今、点数がでずに悩んでおられるという事は、文字通り根本的に、滑りが変わらなければ合格に手が届かないという事です。
スキーは、動作とその洗練度で評価されます。
モーグルのエアー、フィギアスケートのジャンプの採点方法は、行うエアー/ジャンプに基礎点があり、その洗練度により加減点が行われます。
スキーで言うならば、今の滑りの延長線上は滑りの洗練度にあたります。
長い間合格できなかった滑りでも、洗練度を上げることにより得点もあがりますが、上昇幅はあまり大きくありません。
一方、基礎点の高い滑りを行えば、少々粗があっても大きな得点の上昇が見込めます。
仮に4種目で299点、あと1点に泣いた方であれば、洗練度を上げるだけで合格できるかもしれません。
しかし、オール74点の人は、時間がかかっても根本から滑りを変えた方が合格への近道です。

何を変えるか、それは前後・上下・左右のポジションと捻りの4点です。
スキーの動きには、この4つしかなく、その組み合わせです。
補助動作の、ストックワークを加えても、5つの動きの組み合わせで滑りが成り立っています。
今まで慣れ親しんだポジションの修正は物凄く大変で、またその練習は物凄く地味です。
ポジションで言うと、仮に前後に1cm荷重点がずれると、違和感だらけでまったく滑ることができなくなります。
しかし、適切な荷重点を見つけ、そこで違和感なく荷重できるようになることが重要です。

前後のポジションを鍛える練習 はこちら
上下のポジションを鍛える練習 はこちら
左右のポジションを鍛える練習 はこちら
捻りの練習 はこちら

種目別得点

プライズ検定の主催者は都道府県スキー連盟連で、検定員は連盟が派遣しているので都道府県内の合格レベルは一定に保たれています。
新潟県スキー連盟主催のプライズテストの例で、延べ6会場のテクニカルプライズの合格率は6.3%(25/396)ですが、フラット(オール75点)で合格した人はたった1%(4/396)しかいませんでした。
ということは、他の合格者21名は加点があったということです。
すなわち、加点を出せる種目がないと、合格へのハードルは上がるという事になります。

テクニカルプライズ 合格率と攻略のポイント はこちら

 

私の戦略は得意なコブで加点し余裕をもって合格するというもでした。
実際は、苦手な総合滑降と大回りが減点で、その穴をコブが埋める形となりました。

合計 総合滑降 整地大回り 整地小回り 不整地小回り
301点 74点 74点 76点 77点

【6回目】石の上にも四半世紀、テクニカル受験記 はこちら

主催

プライズテストは都道府県スキー連盟が主催します。
大変言いにくいことなのですが、県連により合格難易度が違うということは事実としてあります。
もちろん、公式には、どこで受けても基準は同じとありますが、人間が採点することなので、基準が完全に同じになることはありません。
受験者の立場で言えば、テクニカルに合格するのが目的なのか、〇〇県連主催のテクニカルに合格するのが目的かで戦略が変わってきます。

 

最後に

スキーはスポーツなので、歳を重ねるとだんだんと思い通りの動きが出来なくなってきます。
どなたでも、努力を続ければ確実に合格できる、ということはできませんが、努力することを止めると合格することはできません。
しかし、大きなハンディを背負った私でもなんとか合格することができたので、みなさんもきっと合格できると思います。
応援しています、頑張ってください。

 

SAJ、SIAスキー検定(バッジテスト)のまとめ はこちら

コメント

  1. いつも、色々と参考になるブログありがとうございます。私もアラフィフ。コブに入り始めて4年目です。大学時代にスキーをはじめ、その後は年に行っても1、2回。万年中級者でしたが、子育てから解放されてコブにハマり、こちらのブログで勉強させていただいております。またまだ全くの初心者ですが年甲斐も無く頑張っています。

    • ユミコさん、はじめまして。
      子育てから解放、うらやましいです。
      これからコブの季節、ガンガン滑って、楽しみながら上手くなってください。