【考察】リフト1日券14,500円のルスツリゾート、実はリーズナブルな料金設定!?

スキー場 国内

昨シーズン、ルスツリゾートのリフト1日券が、日本初で初めて1万円超えて11,500円となったことで話題を集めました。
それから1年、2024/2025シーズンのリフト券の値段が発表され、その料金はなんと14,500円。
2年前の1日券8,800円から今年の14,500円と、2年間で65%も料金が上昇しています。
しかし、ルスツのリフト券・シーズン券の料金を詳細に見ていくと、スキー場からのメッセージがはっきりと分かってきました。

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ルスツ リゾート

羊蹄山の南東、留寿都村にあるルスツリゾートは、夏は遊園地、冬はスキーと加森観光が運営する通年型のリゾートです。
スキー場の麓には、ノース&サウスウィングホテル、ウェスティン ルスツリゾート、The Vail Rusutsuなど、大型の直営ホテルが立ち並びます。

 

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リフト券

ルスツリゾートのリフト券は、ポイント券、時間券(1時間毎)、時間券(連続)、日券、ナイター券、シーズン券の6種類と、宿泊に滞在中のリフト券代が含まれた宿泊パックがあります。
この中で、日本では馴染みの薄い時間券(1時間毎)を中心にリフト券の説明をしていきます。

時間券(1時間毎)

時間券(1時間毎)の仕組みを説明します。

25時間券+5(早割)/25時間券(シーズン中)

「25時間券+5」は25時間+5時間、合計30時間滑れる券です。
これだけ聞くと、ちょっと長い時間券と思うかもしれませんが、そうではありません。
この券は、連続30時間券ではなく、1時間券の30枚セットで、かつシーズン中いつでも利用可能です。
極端なことを言えば、1日1時間づつ30日滑ることもできます。
また、1時間券は、利用を開始してから59分後にゲートを通過することができます。
その後、リフトに乗り滑り降りてくるまで、早くて15分ぐらい、ゆっくり滑れば30分ぐらいかかります。
そうすると、1時間券で1時間30分ほど楽しめることになります。

トップアップ5時間券

「25時間券+5」を購入者の特典として、トップアップ5時間券(1時間券x5枚)を何回でも購入することができます。
ちなみに、トップアップ(top up)とは、チャージする、つぎ足すと言う意味です。

料金

「25時間券+5」は前売り販売のみで、シーズン中は「25時間券」が購入可能です。
25時間券+5」/25時間券を使い切った後も、「トップアップ5時間券」を購入可能です。

()内はオンライン購入時の料金

  大人
(19~64歳)
シニア
(65歳以上)
中高校生
(13~18歳)
こども
(4~12歳)
25時間券 33,000円
(31,500円)
27,500円
(26,300円)
27,500円
(26,300円)
16,500円
(15,800円)
25時間券+5
(前売のみ)
同上 同上 同上 同上
トップアップ
5時間券
6,100円
(同額)
5,000円
(同額)
5,000円
(同額)
2,800円
(同額)

お勧めの使い方

お勧めの使い方はずばり、1日に1時間券を3枚利用し10日間滑ることです。
先ほど説明したように、1時間券は上手く使えば1時間30分ぐらい楽しむことができます。
3枚利用するということは、4時間30分楽しめるということで、1日の滑走時間としては十分な時間です。
これは、公式HPのイラストでも説明されていて、午前に2枚の1時間券を使い、ランチ後に1枚利用するというものです。

また、下山時に移動に利用する、アクロス第1・アクロス第2ペアリフト・イーストゴンドラ1号線、タワーペアリフトは無料です。

ルスツリゾートHPより

時間券(連続)

「5時間券」は一度ゲートをくぐると、最後にゲートをくぐれるのは4時間59分後です。
5時間連続で滑り続けることは体力的に厳しく、途中でランチや休憩時間をとりますが、その間も時間が消費されます。
仮に朝9時に5時間券を利用開始した場合、最後にゲートをくぐれる時間は13時59分となりますが、その後リフトに乗り滑って降りてくる時間は5時間に含まれず、実際は5時間+α 楽しむことができます。

日券

日券には、1日券、2日券、3日券、4日券、5日券があります。
1日券の料金は衝撃の14,500円ですが、オンラインで購入すると11,200円と、23%もお得です。

ナイター券

ナイター券は3,500円と、少し高いかなというぐらいの料金です。

ポイント券

各リフト毎にポイントが設定されており、最後に1本だけリフトに乗りたいといった時に、ポイント券を購入して利用できます。

  • ペアリフト     : 1ポイント
  • ウエスト第1クワッドリフト:1ポイント
  • クワッドリフト   : 2ポイント
  • ウエストゴンドラ  : 3ポイント
  • イーストゴンドラ2号線 : 3ポイント
  • イゾラゴンドラ   : 3ポイント

イーストゴンドラ1号線、タワーペアリフト、アクロス第1、アクロス第2ペアリフトは無料

料金

()内はオンライン購入時の料金

  大人
(19~64歳)
シニア
(65歳以上)
中高校生
(13~18歳)
こども
(4~12歳)
5時間券
(連続)
12,500円
(9,800円)
9,000円
(6,900円)
9,000円
(6,900円)
5,400円
(4,000円)
1日券 14,500円
(11,200円)
10,600円
(8,300円)
10,600円
(8,300円)
7,200円
(5,400円)
2日券 22,000円 16,200円 16,200円 10,400円
3日券 33,000円 24,300円 24,300円 15,600円
4日券 44,000円 32,400円 32,400円 20,800円
5日券 55,000円 40,500円 40,500円 26,000円
ナイター券 3,500円 2,300円 2,300円 1,200円
ポイント券
(1ポイント)
800円 700円 700円 500円

K-ウィンターパス 加森観光グループ共通シーズン券

K-ウィンターパスがあれば、4か所のスキー場を楽しむことができます。

対象:サッポロテイネ
   ルスツリゾート
   サホロリゾート
   中山峠スキー場

早割:86,000円~173,000円(2024年3月6日~11月3日)
   お食事券10,000円分付(2024年3月6日~5月5日)
料金:103,000円~184,000円(2024年11月4日~)
特典:リピーターご紹介特典
   スクール割引、レンタル割引、同伴者リフト券割引 他

上記は、大人料金です。

宿泊パッケージ

スキー場の麓にはホテルが立ちならんでいます。
冬の宿泊客の大半は滑ることが目的であり、ホテルの料金にはリフト券代が含まれています。

 

考察

すさまじい勢いでリフト券の値上げを行っているルスツが、どのような考えで料金を設定しているのか考察してみました。

滑走日数と1日当たりのリフト料金

リフト券1日券としては日本一高い料金ですが、複数日滑る場合、1日当たりのリフト料金がどのようになるか計算してみました。

議論の余地はあるとは思いますが、1日滑るには、連続5時間券では少し物足りないが、1時間券 x5枚あれば大半の人は十分と思います。
また、若い人であればナイターも滑るかもしれませんが、日中滑ったあとにナイターを滑る人は少数派だと思います。
以上の事から、1日券か1時間券 x 5枚で1日滑れるとします。

上記の前提のもとに、最安となるリフト券の種類を調べました。

滑走日数と最安となる利用リフト券
  • 1日  :1日券(オンライン)
  • 2日  :2日券(オンライン)
  • 3~13日:25時間券+5(前売り)+トップアップ5時間券
  • 14日以上:K-ウィンターパス 86,000円(スタンダード:早割:お食事券10,000円分付)
         食事券代を引いた、76,000円をシーズン券代としました。

滑走日数が3日目までは1万円を超えていますが、滑走日数4日目から、1日当たりのリフト料金が急激に下がりだします。
6日目で底を打ち、その後13日目まで緩やかに上昇しますが、シーズン券が最安値となる14日目以降、料金はどんどん下がっていきます。

ターゲット層

リフト券の値上げは、インバウンドが増えたからいう話をよく耳にします。
もちろん、その側面もあると思いますが、ホテルに宿泊すると宿泊費に滞在中のリフト券が含まれており、宿泊費と別にリフト券を購入するわけではありません。
高級ホテルなので宿泊費が安いわけではありませんが、ホテルの格を考えるとリーズナブルな料金で、リフト2日券(22,000円)に少しの額を加えると宿泊できます。
海外からくる旅行者の場合、ホテルに宿泊するのでリフト券の高騰の影響はそこまでありません。
さきほど算出した1日当たりのリフト料金と併せて考えると、リフト券高騰の影響を受ける人と、あまり受けない人がはっきりと分かります。

リフト券高騰の影響を「大きく受ける人」
  • 札幌のホテルに宿泊して、ルスツで滑る方
  • 滑走日数4日以内の地元の方
リフト券高騰の影響を「あまり受けない人」
  • ホテル宿泊者
  • 滑走日数5日以上の地元の方

以上の事から、ルスツとしては、インバウンド・道外からの旅行者に限らず直営ホテルに宿泊するか、リフト券を3万円分(リフト券5日分)以上購入してほしいということが伺えます。

 

最後に

昨年、1日券が11,500円と発表されたときは、もう手の届かいないスキー場になるかもしれないと心配されましたが、ちゃんと道民のことを考えていてくれました。
海外の大規模なスキー場では1日券が2万円を超えるところもありますが、早割シーズン券だと10万円程度と手の届かない料金ではありません。
日本でもこのように、シーズン中に5~6日以上滑ってくれる人を優遇するスキー場が増えてくるのではないでしょうか。

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