【中高年のテクニカルへの道】年齢による上達のプロセスの違い

スキー・スノーボード・雑記

【中高年のテクニカルへの道】第3弾です。

長文で地味な内容ですが、本気で合格を目指しているのであれば、初めから読んでいただければと思います。

【中高年のテクニカルへの道】対象者と合格率編 はこちら
【中高年のテクニカルへの道】合格レベルと現状の理解 はこちら

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合格レベルに近づくために

前回の投稿で、テクニカルに合格する為には、合格レベルの滑りを理解し、そして自分の滑りの現在地を理解する必要があると書きました。
次に行うことは、そのふたつの滑りのギャップをどのように埋めていくかを考えることです。

上達のプロセス

スキーに限らず、スポーツの練習は上手な人をまねることから始まります。
先生やインストラクター、あるいは先輩が見本を見せて、その動きを説明し、それを生徒がまねをします。
中学校・高校のクラブ活動、大学のサークルなどがそうですが、上手い人がいると他の人のレベルも上がっていきます。
そこに、よい指導者がいれば、上達のスピードが早まります。

しかし、だんだんと歳を重ねていくと、なぜか見よう見まねが出来なくなり、ひとつひとつの動きを理解しないと、まねができなくなります。
不思議です。

そして、より歳を重ね40代、50代になってくると、自分でも気が付かない問題が発生します。
体が硬くなり、柔軟性が重要だと思うかもしれません。
もちろん柔軟性も重要ですが、それよりも深刻な問題が起こっています。
それは、長年同じ動きをしてきたことで、現在の動きを変えることができなくなってしまっていることです。
自分にとっては、今の動きが自然なので、スキーを上達するうえで非効率的な動きをしていることすら気がついていない人がほとんどです。
気が付けば矯正することもできますが、気が付かないと直そうとも思いません。
また、一度ついたクセを矯正することは、ゼロから上達することにくらべ、何倍も時間がかかります。
これらのことが、中高年がなかなか上達をしない原因だと思います。

上達のプロセス

10代から歳をとるにつて、上達のプロセスが複雑になってきます。
具体的には、次のようなプロセスになります。

  • 目標の滑りを見る>まねる

   ↓↓↓

  • 目標の滑りを見る>動きを理解する>まねる

   ↓↓↓

  • 目標の滑りを見る>理解する>柔軟性を高める>まねる

   ↓↓↓

  • 目標の滑りを見る>理解する>クセに気づく>クセを矯正する>柔軟性を高める>まねる

理解する

昔からある勉強方法に、友達で教えあうという方法があります。
説明できるまで理解しないと身に付かないということです。
スキーも同じで、中高年で上手な人は、間違いなく自分の言葉で滑りを説明できます。
逆に言うと、自分の滑りを説明できないということは、目指す滑りができていないということです。

クセに気づく/矯正する

「無くて七癖」と言われるように、誰しもクセをもっていますが、それに気が付くことは大変難しいことです。
ある動きができない、ということは比較的直ぐに分かりますが、それがどうしてできないかは、なかなか分かるものではありません。

私はストックワークに左右差があり、左手がしっくりしませんでした。
本格的に矯正をしようとして、肘の位置、手首の位置など、長い時間をかけて少しづつ矯正をおこなってきました。
それでも、しっくりせず、やっと原因が分かったのは矯正を始めて半年近くたってからでした。
原因は手首の角度だったのですが、気が付いたら矯正まであまり時間がかかりませんでした。

柔軟性を高める

スキーには体操選手のような柔軟性は必要なく、健常者の可動域でありば滑ることの障害になることはありません。
しかし、歳を重ねてくると、だんだんと可動域が狭まり、柔軟性が足りなくなってきます。
滑走スピードが上がってくると、スピードに耐えるために中間姿勢をとる必要が出てきました。
俗に言う中腰の姿勢です。
しかし、板を着けてないでこの姿勢をとるとお尻から転げてしまう人がいるのです。
足首が硬く(柔軟性が低く)、十分に曲げることができないためです。

もうひとつ問題になってくる点があり、それは、いくつかの関節が連動した動きがぎこちないということです。
各関節の可動域は十分あるのですが、2つ以上の関節が連動して動く動作が苦手ということです。
こちらも屋内で屈伸してみると良く分かります。
信じられないかもしれませんが、ほぼ全員、屈伸をすると重心が前後に動きます。
膝の曲がりの少ない人は股関節の曲がりが大きくなり上体がかぶり、股関節の曲がりが少なく膝の曲がりが大きい人はお尻が落ち後傾になります。

このような当たり前にできていると思っていることも、実は出来ていないということが多々あります。
若い人の場合は、ゼロからのスタートですが、中高年の場合はできないことが普通となりその動きが身に付いているので、マイナスからのスタートとなります。
この点を十分理解する必要があります。

レッスンだけでは上達しない理由

プライズ検定対策レッスンは、若くてキレッキレの滑りをするインストラクターや、元デモのなど若い時に技術選などで活躍した人が担当します。
これらの方々は、滑りを見る目は確かで、的確に問題点を指摘し、一般的な修正方法を指導してくれます。
しかし、みなさん、若い時からスキーが上手く、柔軟性の問題や、ましては年月を重ねて凝り固まったクセの問題など経験したことがありません。
よって、それをどうしたら修正できるかが分から場合が多く、たとえ分かったとしても、レッスンだけで修正することはほぼ不可能です。

柔軟性

柔軟性の問題を解決するには、時間をかけて地道にストレッチを行い、可動域を広げるしか方法はありません。
可動域を広げることは、筋力つけることよりはるかに大変で、少なくとも数か月は継続しないと変化を感じることができません。
自分一人で継続するには大変強い精神力が必要なので、仲間を見つけるなど、モチベーションを保つための工夫が必要だと思います。

クセ

上手い人と比べて、何かが違うことは分かるが、何が違うか分からないことが多々あります。
原因の一つに、筋肉の動かし方が違う場合があります。
他人が見ても分からないので、自分自身で何が違うのか探すしかないのですが、これが大変な作業です。
クセは十人十色で尚且つ自分ではそれがクセだと認識していない場合がほとんどなので、治すこと困難を極めます。

一例になりますが、私のクセについてのブログです。
【練習日誌24-6】レールターンの進化と切替のタイミング
レールターン はこちら

 

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最後に

私は30代半ばに右足を粉砕骨折し60日間入院したことがあります。
手術前には、普通に歩くことが出来なくなる可能性もあると言われていましたが、術後に長い年月をけてリハビリを行い、スキーを再開することができました。
その過程で、単純な動きが出来ることの重要性というか、ありがたみを身をもって知ることができ、その後のスキーの練習に生かすことが出来ています。

 

【中高年のテクニカルへの道】1級とテクニカルの間にある壁 はこちら

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