高速道路から見放された御嶽山麓のスキー場、御嶽スキー場(おんたけ2240)、開田高原マイア

スキー場 国内

(更新:2022年5月27日)

報道によると、2022年3月18日付で、前指定管理者のアンカーと同社の現地法人大滝ツーリズムが、御嶽スキー場(おんたけ2240)の指定管理継続を求めて王滝村を提訴したようです。
ごたごたは、当分続きそうです。

御嶽山麓のスキー場

かつて御嶽山麓には5か所のスキー場がありましたが、昨シーズン営業したのは2か所のみでした。
御嶽山(剣ヶ峰:標高3,067 m)の山麓ということもあり、標高も高く雪質は最高です。
一方、今でも噴火を繰り返す御岳山は人を寄せ付けず、大きな街から離れています。
御嶽スキー場と開田高原マイアは、最寄りの高速道路、中央道伊那ICから峠を越え、また山道を登る60km強の下道があり夏場でも1時間半かかります。
かつては、主に中京圏からの利用者によりスキー場は栄えていましたが、松本から白馬方面への道路の整備、東海北陸自動車道の開通などで、距離的に遠くのスキー場の方が交通の便がよくなりました。
高速度道路から取り残された御嶽山麓のスキー場の利用者は減少の一途をたどっています。

御嶽山麓のスキー場
  • 濁河(にごりご)温泉スキー場(2010年廃止)
  • チャオ御岳マウントリゾート(2018年を最後に事実上の廃止)
  • 開田高原マイアスキー場
  • 御岳ロープウェイスキー場(2010年を最後に営業中止)
  • 御嶽スキー場(おんたけ2240)

御嶽スキー場(おんたけ2240)

王滝村のHPの新着情報の並びから推測すると2021年9月16日か17日に、おんたけ2240の指定管理者募集のニュースが掲載されました。
同スキー場の指定管理は、2018年から10年契約で株式会社アンカーの現地法人 株式会社王滝ツーリズムが請け負っており、まだ3年しかたっていませんでした。
しかし、何らかの理由で指定管理を取り消されました。

それにしても、今シーズンの営業開始まで時間がありません。
指定管理者募集期限が2021年9月27日(月)午後5時までとありますが、こんな短期間で応募があるのでしょうか。

10月10日、地元で飲食店を経営する株式会社シシが指定管理者となり、スキー場の名称を「おんたけ2240」から「御嶽スキー場」へ変更すると発表がありました。

その後、今シーズンのオープン予定日直前の12月14日、前指定管理者のアンカーがリフトを運行するための許可を譲渡しないため、今季の営業開始のめどが立っていないとの報道がありました。
詳細は分かりませんが、ニュースを読む限りにおいて、王滝村がアンカーに対して、納得ができる指定管理者取り消し理由を伝えていないようです。
村が一方的に契約期間中の前指定管理者の取り消しを行い、多くのスキー場が指定管理者の募集に苦労するなか、たった10日で次の指定管理者が決まったことに疑念が深まります。

(2021/12/23追記)

報道では、村が前指定管理者に本年度の指定管理料2500万円を支払うことで合意し、アンカーがリフト運行関連に必要な申請書類に署名、押印したとのことです。
昨年度までの指定管理料は5000万円だったようなので、今年度の指定管理料は、現指定管理者分(5000万円?)+2500万円となりそうです。
報道内容だけを見ると、村が解約に対する和解金を支払ったともとれます。
税金が使われているので、村が経緯の説明を行う必要があるのではないでしょうか。

(2022/5/27追記)

報道によると、2022年3月18日付で、前指定管理者のアンカーと同社の現地法人大滝ツーリズムが、指定管理継続を求めて村を提訴したようです。
村は、指定管理取り消しの理由を基本協定に基づく業務報告書の提出遅れとしています。

経営状況

スキー場の経営状況は芳しくありません。
最盛期には60万人を誇っていた利用者も減少が続き、新型コロナウイルスの影響がない2019/2020シーズンの利用者は3万9000人でした。
今シーズン(2021/2022)は雪が「豊富」だったこともあり、多くのスキー場で利用者が回復する一方、御嶽は2万2000人まで落ち込みました。

村は令和3年度のスキー場関連の予算として約9千万円を計上しています。

令和3年度 当初予算案

  • 索道施設修繕費   :5,658 万円
  • 圧雪車・除雪車整備 :  863 万円
  • 圧雪車リース料2台分:1,540 万円
  • 国有地使用料    :  639 万円
  • 附帯施設修繕    :  115 万円
  • 建物災害共済掛金  :     49 万円
  • 合計        :8,864 万円

加えて、指定管理料(5,000万円(?)+2,500万円)を支払っています。

ちなみに、王滝村の人口は719人(2021年9月1日現在)なので、ひとりあたり約23万円/年(含む指定管理料)をスキー場経営に拠出していることになります。
村の令和3年度当初予算案では、自主財源(村税など)は31%しかなく、残り69%は地方交付税など、全国民が負担しています。

 

長野県王滝村「おんたけ2240」スキー場は、「御嶽スキー場」へ!「The Japan Ski Village」を目指す はこちら
株式会社Anchor (アンカー) はこちら

開田高原マイアスキー場

マイアもスキー場の運営状況も芳しくありません。
マイアは木曽町が所有し、同町が出資するアスモグループ株式会社が運営しています。
年間利用者数は4万人前後で、同町は毎年1億2000万円以上をスキー場の施設維持管理費などに支出しています。
木曽町の人口は10,583人(2020年10月1日現在)と王滝村より多いのですが、マイアと木曽福島の2つの赤字のスキー場を抱えています。

 

継続も地獄、廃止も地獄、公営スキー場運営 はこちら

 As6022014撮影 CC 表示-継承 3.0

最後に

両スキー場とも民間企業であればとっくに倒産している経営状況です。
自治体の場合、スキー場があることによる、雇用の創出、宿泊施設などの地域経済への波及効果があり、一概に町が費用を出すことが問題だとは言い切れませんが、どのくらいまでが適切なのでしょうか。
考えさせられます。

 

2022/2023 閉鎖する(かもしれない)スキー場 はこちら

コメント

  1. まさしくタイトルの通りですね。自分はシーズン中何回かは行ってます。今時の人は下道の長さと辿り着くまでの道路事情では敬遠するはずです。岐阜方面の高速からすぐの便利さを味わったら尚更です。中津川ICから縦貫道でも出来ていたらと今でも思います。今も行く身としては空いていてとても滑り易いのは嬉しいのですが。

    • 早く着ける良いスキー場ができると、そちらに流れてしますよね。
      高速道路が人の流れを変えてしまいましたね。