【中高年のテクニカルへの道】合格レベルと現状の理解

スキー・スノーボード・雑記

【中高年のテクニカルへの道】シリーズ第2弾です。
長編になるので、何回かに分けて投稿しています。

この投稿は中高年向けであり、若い人にはあまり当てはまらいので、その点を理解のうえ、お読みいただければと思います。
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合格レベル

テクニカルプライズに合格する為には、合格レベルの滑りを知る必要があります。
合格レベルの滑りが分からないということは、合格に遠いということを意味しています。

合格レベルの理解

合格レベルの滑りを理解するといっても、いろいろな段階があります

  1. 見て分かる
  2. どのように滑っているか分かる
  3. 実践できる
  4. 人に教えられる

テクニカル合格のレベルは(3)であり、そこに到達するために(1)、(2)を通過する必要があります。
最近はネット上に多くの情報が出回っており、(合法かどうかは置いておいて)点数付の検定動画がアップされています。
その動画を繰り返し見て、検定員の採点と自分の採点を近づけるのが第一段階です。
採点するということは、自分の中で何らかの採点基準ができるということで、この基準を作ることが重要になってきます。
基準が出来れば、次にその基準を満たすために、どのように滑れば良いか考えることができるようになります。
基準はひとつだけでなく、技術レベルが上がるにつれ、次々に基準を見つけられ、滑りが洗練されていきます。
そして、どこかの時点で合格できるレベルに到達します。
少しだけ安心できる話をすると、テクニカル合格レベルの滑りは、まだまだ粗が多く、できないことがいくつかあっても、合格点できます。

イメージ違い

先ほどは合格レベルの滑りを自分で理解するという話をしましたが、人に教えてもらう方が早いと考えるかもしれません。
しかし、それはなかなか難しい話で、社会生活を営む上で物事をストレートに言うことは少なく、オブラードに包んで話すことがほとんどです。
また、運動を言葉で表すことは難しいので、どうしても抽象的な言葉になってしまします。

よく聞く、合格者の滑り

テクニカルに合格するには何をしたらいいですか、どのような滑りですか、などという質問に対して次のような回答をよく耳にします。

  • スピードが違う(早い)
  • カービング(ずらさない)
  • 体力(筋力)が必要
  • ノーミスの滑り
  • 見せる滑り

個人的には、まったく参考にならない表現だと思っています。
全ての項目に対し、「1級よりは」という言葉をつけるのであれば納得です。
それでも、ノーミスの滑りや見せる滑り(演技)を求めもられているとはまったく思いませんし、そもそもそんな滑りが出来たらプライズレベルではありません。

上級者が考える合格者の滑り

ここで、クラウンを余裕で受かるような上級者が考える、プライズ検定に合格する滑り方をご紹介します。
正直言うと、テクニカル合格にはここまでのことは求められていません。
しかし、これらのことを目指せば、合格に近づくことは間違いありません。

金太郎あめのような滑り

どんどん上手くなってくると、みんな同じ滑りになってくるということです。
プライズレベルで個性は不要で、次の言葉に続きます。

無駄なことはするな

上達するために、何らかの技術が必要と考えている人を大変多く見かけます。
なので、レッスンでその技術を教えてもらえば上達すると。
スキーは落下運動であり、自分の力を使うということは、落下運動を妨げるということです。
この落下運動を妨げる無駄な力(動き)をそぎ落とし、重力を効率よく使うことが上達するということなのです。
そして、この無駄な動きをそぎ落としていけば、だんんだんと同じ動きに近づいていき「金太郎あめ」のような滑りになると。

コブと小回りは同じ

テクニカル検定を見学していると、多くの人がコブと小回りで違う滑り方をしています。
また、話を聞く、コブ専用の特別な滑り方があると思っている人が多くいます。
しかし、クラウンに合格した人の滑りをみると、コブがあっても無くても同じように滑ります。
モーグル選手ぐらい飛び抜けたコブの滑りが出来れば別ですが、普通の人は同じ滑りをしたほうが合格に近道です。
同じ滑りができないということは、コブではなく整地の滑りに問題があるのではないでしょうか。

 

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現状の理解

テクニカルに合格する為には、合格レベルの滑りを理解することが必須だといいましたが、加えて、自分の現在地(滑り)を冷静に判断することも必要です。
そのことにより、初めてその差を埋めるために、何を行えば分かってきます。
人間誰しも、自己評価は高いもので、どうしても耳障りの良い言葉に意識が向いてしまいます。
しかし、合格を目指しているのであれば、常に合格レベルと比べて、今の自分はどこにいるのかを考える必要があります。

本音を言えないインストラクター

インストラクターは、レッスンで本音を言いません。
正確に言うと、嘘を言っているわけではなく、悪い部分はオブラードに包んで伝えるので、本音が伝わりにくくなっています。
受講生から見たら、率直に本音で話してほしいと思っているかもしれませんが、本音を伝えても幸せになることはほとんどありません。
受講生はレッスンにより上手くなりたいと思っていますが、そのような魔法のレッスンは存在しないからです。
テクニカル受験者対策レッスンを受け持つ人は、少なくともクラウン、一般的には技術選の県代表クラスの人が教えます。
それらの方々は、見る目は確かで、受講者の滑りを見て、問題点を指摘し、どのように改善したらよいか教えてくれます。
若人であれば、その指摘で直ぐに出来るようになるかもしれません。
しかし、中高年の場合、身に付き凝り固まった自分の滑り(クセ)があり、その滑りを変えることは困難を極めます。
限られたレッスン時間の中で、クセの矯正に時間をかけることはまず無理です。
そんな時に、この動きが出来ないと次の段階に進めませんよ、と指導すると、レッスンが前に進まなくなってしまいます。
正直なところ、集団のレッスンでは、出来ていない人がいても次のメニューに進んでいかざる得ないのです。
また、客商売なので、辛口のインストラクターでもレッスンの終わりの方では褒めることが多くなってきます。
この言葉を勘違いして、レッスンで上手くなったと勘違いしてしまうことも問題です。
インストラクターからしたら、だますつもりは毛頭なく、気持ちよく帰ってほしいだけなのですが。

必要なのはコーチ

では、どんな人に教えてもらうのが良いのでしょうか。
これは私の意見となりますが、テクニカル合格を目指すのであれば、厳しいことを根気強く言ってくれるコーチのような友達や指導者が必要だと思っています。
高圧的な態度で叱責するということではなく、ごくごく単純な改善が必要な点を何度も何度も言ってくれる人であり、聞く側からしたら、心が折れそうになるくらい厳しいことに感じます。
しかし、このぐらい言ってもらわないと中高年は前に進めないのです。
その理由については、次回以降の投稿で説明します。

そんなコーチのような知り合いがいないというひとはどうしたらよいのでしょうか。
一番良いのは同じ人のプライベートレッスンを何度も受けることです。
何度もというところが重要で、きごころが知れ、本気で合格を目指していることが分かれば、通常のレッスンでは決して言わない本質的なことを教えてくれて、根気強く練習に付き合ってくれます。
言い方を変えれば、魔法ような練習方法があるわけではなく、物凄く単純な練習をできるようになるまで付き合ってくれるということです。

プライベートレッスンが費用の問題で難しいのであれば、一般レッスンに数多く入りインストラクターと懇意になる方法もあります。
レッスン中に個人的な練習を行うことは難しいとは思いますが、課題を教えてもらえると思います。

あともう一つ、ポールレッスンもお勧めです。
一般レッスンと違い、ポールを滑るたびにコメントをもらえるので、ある意味プライベートレッスンです。
レースは基礎的な動きを大切にするので、一般のレッスンと、まったく違う指摘をしてくれる可能性もあります。

 

最後に

私は長いスキー人生で、デモだけでも20人以上、一般レッスンを含めて数百日はレッスンを受けています。
レッスンによって教えていただいたことも多く、無駄であったとは思っていません。
しかし、レッスンを受講しただけは決してテクニカルに合格していなかったと思います。
次回、その理由を書いていきます。

つづきです。
【中高年のテクニカルへの道】年齢による上達のプロセスの違い はこちら

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