落札価格は14億円、キューピットバレイ 第2クワッドリフト更新事業

スキー場 国内

2023年8月4日、新潟県上越市が行った「キューピットバレイ新第2リフト建設事業」の落札者が日本ケーブル株式会社に決まったと発表がありました。

 

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キューピットバレイ

キューピットバレイは、新潟県上越市、長野県との県境に近い菱ヶ岳(1,129m)の北斜面に広がるスキー場で、国道403号線沿いにセンターハウスがあります。
1990年12月23日、川崎製鉄(現JFEホールディングス)などが出資する第三セクターの運営で営業を開始しました。
その後、川崎製鉄が撤退し何度か運営会社が変わりましたが、2020年5月、救済に近い形でスマイルリゾートが運営を行うことになりました。

索道施設は、ゴンドラ、2本のクワッドリフト、そして2本のペアリフトで構成されていますが、ゴンドラと第4ペアリフトは営業を行っていません。
稼働しているリフトも開業以来30年以上が経過し老朽化が著しく、大規模な修繕や更新が必要な時期を迎えています。

 

利用者数

キューピットバレイは、その地理的要因から大都市圏からの利用者は少なく、地元の方のためのスキー場です。
コロナ前の利用者数は10万人を超えていましたが、コロナが始まり5万人まで落ち込み、他のスキー場が利用者を伸ばす中、復活の糸口が見えていません。

 

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上越市安塚 雪だるま高原 施設整備活用基本計画

上越市は、「日本のスキー発祥の地」から発信する「誰でも雪を楽しめる新しいスノーリゾート」
の実現を目指すため、雪だるま高原エリア全体の将来計画として、令和4年3月に「上越市安塚雪だるま高原施設整備活用基本計画」を策定した。
同基本計画中の「索道整備計画」において最重要事業として位置付けられているキューピットバレイ第2クワッドリフトの更新及び延伸、並びに現施設(既存の第2クワッドリフト)の除却(撤去)を行うとあります。

 

キューピットバレイ新第2リフト建設事業

キューピットバレイ新第2リフト建設事業は、既存の第2クワッドリフトを撤去し、山麓方向に延伸した新第2クワッドリフトを架設する事業です。
リフト延伸することで、ソレイユコースなどのスキー場の左(東)側エリアのゲレンデをリフト1本で繰り返し滑ることができるようになります。
これらのことにより、現在営業休止中のゴンドラと第4ペアリフトは廃止されるのではないでしょうか。

キューピットバレイ新第2リフト建設事業は次の通りです。

事業期間

  • 令和5年9月末頃から令和7年11月末まで

本事業の業務範囲

事業者が行う業務の範囲は、次のとおりとする。

  • 調査業務
  • 設計業務
  • 各種許認可等申請業務及び支援業務
  • 工事監理業務
  • 建設工事業務(施設建設、造成外構、備品を含む)
  • 既存施設の解体工事業務
  • その他本施設の整備に必要な業務

対象施設等

新第2リフトの概要
  • 山頂駅舎 :標高920m(既存施設と同位置)
  • 山麓駅舎 :ソレイユコース下部から乗り込みが容易な場所
  • リフト長 :1,600m程度
  • 車庫線棟 :有
  • 索道の種類:特殊索道
  • 索道の方式:単線自動循環式
  • 搬器仕様 :フットレスト付きセーフティバー
  • 運転速度 :4m/秒以上
  • 毎時輸送量:1,600人/時以上
  • 搬器定員 :4人以上
  • 風対策  :風速20m/秒でも安全運行可能なこと
既存施設の概要

現第2クワッドリフトです。

  • 山頂駅舎 :標高920m
  • リフト長 :約1,000m
  • 索道の種類:特殊索道
  • 索道の方式:単線自動循環式
  • 搬器仕様 :フットレスト付きセーフティバー
  • 運転速度 :4m/秒
  • 毎時輸送量:1,600人/時
  • 搬器定員 :4人

落札者

8月4日に落札者の発表があり、日本ケーブル株式会社 新潟サービスセンターがキューピットバレイ新第2リフト建設事業を請け負うこととなりました。

入札参加者

  • 日本ケーブル株式会社 新潟サービスセンター(落札)
  • JFEプラントエンジ株式会社
  • 安全索道株式会社

落札価格

  • 1,390,000,000 円(税抜)

総合評価結果概要

今回の入札は総合評価一般競争入札方式で、提案された建設に関する審査項目と入札価格を予め決められた採点方法により点数化し、合計点が最も高い入札者が落札するというものです。
この入札方式の場合、入札価格で大きな差がつくことは無く、事実上提案審査点により落札者が決まります。
総合評価結果は、入札価格以外の全項目で最高点であった日本ケーブルが落札者となりました。

審査項目と配点
  • 提案審査:80点
    • 整備方針との整合(10点)
    • 実施体制、リスク管理方針(5点)
    • 地域経済への配慮(5点)
    • 設計に関する事項(50点)
    • 建設に関する事項(10点)
  • 価格審査:20点

キューピットバレイ新第2リフト建設事業 はこちら


出典:雪だるま高原施設整備活用基本計画(概要版) より

 

最後に

デタッチャブル高速4人乗りリフトの建設は、土地の造成が無い場合でも10億円を超える費用が掛かるのですね。
落札者も決まり、9月から工事が始まります。
工事が予定通り行われ、新しくなった施設に、多くの人が訪れることをお祈りしています。

コメント

  1. 暑いので冬のネタは良いですねぇ。。。

    所長さんが過去にご指摘の通り、
    供給過剰な中、公共の資金が投入されるのは
    100%民営のスキー場にしたら不公平な気もします。
    が、インバウンドが復活したら混雑を回避できる所は欲しいですね。

    何より新しいピカピカな搬器はやっぱり良いです。。。
    索道の会社もメンテばかりで新設の仕事が無いとマズイし。

    近くの妙高市も、自動改札機?を公費で市内の各スキー場に配るようですよ。
    リフト係の方が減るのは複雑な心境ですけどね。

    • キューピットバレイは、上越市内で唯一の規模のあるスキー場ですからね。
      投資を行うのであれば、本腰を入れて行ってほしいです。