2022年3月14日、世界最大手のスキー場運営会社の一つ、Vail Resorts, Inc の第二四半期の決算発表がありました。
決算内容が良かったことはもちろんですが、日本では信じられないような景気の良い発表がありました。
最低時給
お客様に最高の体験をしていただくために、2022/2023シーズンから冬季スタッフの最低時給を約2,300円(20ドル)とすると発表がありました。
日本より物価の高いアメリカですが、それにしても破格の待遇です。
この背景には深刻な労働力不足があります。
北米では近年スキー場利用者が増えており、多くのスキー場でリフトの増設などを行っています。
一方、労働力が不足していて、全ての施設をオープンできないスキー場もあるようです。
スキー場のスタッフの大半は、一年の半分しか働くことのできない季節労働者です。
安定した生活を送るためには、年間通して働ける職場を選ぶので、スキー場スタッフのなり手が少なくなっているのでしょう。
その中で労働力を確保するためには、他社に負けない魅力的な条件を提示する必要があったようです。
設備投資
継続して積極的な投資を行っています。
2022年に約376億円($327M)から約388億円($337M)を投資し、14のスキー場に21基のリフトの新設と、スキー場の拡張を行う予定です。
日本では信じられない規模の投資ですね。
健全な環境で経営を行えば、スキー場運営は十分に利益を出すことが出来るということですね。
過去3年間の売上(ドル)
コロナ下の昨年でも、売上が約1950億円でした。
今年の売上は3年前に迫る勢いです。
売上 (単位:千ドル) |
2021年7月~ 2020年8月 |
2020年7月~ 2019年8月 |
2019年7月~ 2018年8月 |
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リフト券 | $1,076,578 | 64% | $913,091 | 53% | $1,033,234 | 53% |
スキースクール | $144,227 | 9% | $189,131 | 11% | $215,060 | 11% |
レストラン | $90,329 | 5% | $160,763 | 9% | $181,837 | 9% |
小売/レンタル | $227,993 | 13% | $270,299 | 16% | $320,267 | 16% |
その他 | $150,751 | 9% | $177,159 | 10% | $205,803 | 11% |
合計 | $1,689,878 | $1,710,443 | $1,956,201 |
最後に
北米のスキー場経営は、利用者が増え、利益があがり、投資を行い、より利用者が増えるという好循環の波に乗っています。
ほんの数十年前は、北米のスキー場も過当競争で疲弊していましたが、スキー場を運営しているのが民間企業だったので、不採算のスキー場の撤収が早く今を迎えています。
半数以上が官営の日本のスキー場の将来は、どうなることでしょうか。
【考察】Vail Resortsの決算発表に見る、国内スキー場再生の道 はこちら
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