2004/05から2007/08シーズンにかけて、北米437か所のスキー場が発表した降雪量と、NOAA(アメリカ海洋大気庁)およびSNODAS(降雪量予測システム)のデータの比較を行ったレポートがあります。
SNODAS
SNOw Data Assimilation System(SNODAS)は、National Oceanic and Atmospheric Administration(NOAA:アメリカ海洋大気庁)National Weather Service(NWS:アメリカ国立気象局) National Operational Hydrologic Remote Sensing Center (NOHRSC) によって開発されたシステムで、積雪に関するデータを提供しています。
Wintertime for Deceptive Advertising?(虚偽広告の冬の時代?)
Jonathan ZinmanとEric Zitzewitzの研究結果のレポートです。
スキー場が発表する降雪量とSNODASのデータとの違いをまとめています。
降雪量の偽りに関するものなので、冬の「時期」に行われることと、冬の時代(低調な時期)をかけたタイトルとなっていると想像します。
報告内容はシンプルで分かりやすいものですが、データの収集方法は大変だったことがレポートから分かります。
降雪量
横軸が降雪があった日の降雪量、縦軸がその日が起こる割合をあらわしています。
3本のグラフは、左からスノーリゾート(黒)、SNODAS(茶色)、NOAA/NOHRSC(水色)のデータです。
たとえば、一番左の降雪の無い日の割合は、全観測日の約70%となります。
一番右の3本のグラフは、8インチ(約20cm)以上雪が降った日の割合です。
スノーリゾートの発表では、公式記録より多くの日で8インチ以上の雪が降ったことになっています。
全期間では、スノーリゾートは、政府機関より12~23%降雪量が多く発表されていたそうです。
降雪量(曜日別)
曜日別の降雪量です。
黒いグラフがスノーリゾート発表で、茶色がSNODASのデータです。
明らかに、スノーリゾート発表の降雪量の方が多く、特に土日月の差が顕著です。
土日では、約22%降雪量が多く発表されています。
最後に
日本でもスキー場発表のデータは実感と異なることが多々ありますが、気象庁の観測データではないので、降雪量が盛られているんでしょうね。
土日に盛りたいという、スキー場の気持ちは良く分かります。
レポートの全文です。
American Economic Journal: Applied Economics 2016, 8(1): 177–192 はこちら
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