広島県のユートピアサイオトは、2011/12シーズンからマックアースに経営が変わり、人工造雪機/降雪機の導入など積極的に投資を行っており、雪不足が続く中でも11月にはオープンできる能力があることは魅力です。
加えて、周辺8か所のスキー場の内、3年で5か所が廃止し、地域を支えるスキー場になろうとしています。
(後に1か所、営業再開)
人工造雪機/人工降雪機
気温10数度でもゲレンデを造ることができる人工造雪機を2種類所有しています。
一つは、1日に大型バス5台分の雪を製造する西日本唯一の大規模造雪プラントで、もう一つは、合計で1日に大型バス15台分の造雪能力を有するゲレンデ沿いに配置された造雪機です。
加えて、気温が氷点下になった時に威力を発揮する人工降雪機を、全コース(テクノ―コース以外)に配置しています。
Googleマップが、ちょうど造雪の風景を写していました。
標高と気温
ベースが730mと、周辺のスキー場に比べ高所に位置し、トップは1,150mと標高差は420mあります。
グラフは隣町の大朝の街中の気温ですが、暖冬と言われた2019年12月でも造雪にはまったく問題のない気温です。
もちろん、スキー場の気温は大朝より低いと考えられます。
出典:国土交通省気象庁
利用者数
ここ2シーズン続いた暖冬で、周辺のスキー場が大変な状態になってしまいました。
2017/18シーズンには、ユートピアサイトがある広島県北広島町と、山の反対側の島根県側に、合計8か所のスキー場がありましたが、3年で5か所のスキー場が廃止・倒産してしまい、今シーズンの営業は3か所になりました。
(後に1か所、営業再開)
これらのスキー場利用者数は、2016/17シーズンの約36万人から、小雪の影響で一昨年は約18万人と半分になっていました。
2019/2020シーズンのデータはまだですが、記録的な小雪で営業できなかったスキー場もあり、18万人よりはるかに少ないことは確実です。
スキー場の廃止時期と位置です。
- 島根県邑南町 瑞穂ハイランド(2020年廃止>2021年営業再開)
- 島根県浜田市 アサヒテングストン(2020年廃止)
- 広島県北広島町 ユートピアサイオト
- 広島県北広島町 やわたハイランド191リゾート
- 広島県北広島町 芸北高原大佐スキー場
- 広島県北広島町 芸北国際スキー場(2020年廃止)
- 広島県北広島町 雄鹿原高原スキー場(2019年廃止)
- 広島県北広島町 スキーパーク寒曳(2018年廃止)
今シーズン
今シーズンは平年並みの降雪量と予想されていて、十分な積雪が期待できます。
ユートピアサイオトは人工造雪機を完備おり、降雪が無くとも気温が下がれば営業可能なので、雪不足の心配はまずないでしょうか。
周辺で一番の利用者数を誇っていた瑞穂ハイランド、および二番の利用者数があったと考えられる芸北国際が同時に廃業したことにより、ユートピアサイオトに利用者が殺到することが考えられます。
収容能力をオーバーする懸念もありますが、今シーズンを乗りきれれば、来シーズンに向けさらなる設備投資を行え、より魅力あるスキー場になっていくことでしょう。
経営がマックアースなので、ノウハウも資金力もあるので、今後に期待しています。
ユートピアサイオト 広島県
2011年9月に(株) マックアースが取得して、運営しています。
スキー場の名前にある「サイオト」とは地名で「才乙」と書きます。
リフトは全部で6基あり、高杉山頂上から最大斜度32度のメダリストコースを通る2,000mのロングランが楽しめます。
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