2020/2021シーズンから運営会社が新しくなった猪苗代スキー場、平日無料というぶっ飛んだ「いなスキ!クラブ」を打ち出しました。
2021/2022シーズンは、実質3スキー場の共通シーズン券を1万円で販売。
そして、2022/2023シーズン、優先レーンパスポート シーズン券を販売開始しました。
いなスキ!クラブ
平日無料という、画期的な会員サービスは今シーズンも継続です。
当初は駐車場が有料でしたが、2021年1月から無料になり、どこで儲けるの???となりました。
週末でもリフト券は半額で買えるという、利用者にとっては夢のようなサービスでした。
注)2021/2022シーズンの料金です。
2022/2023シーズンも「いなスキ!クラブ」は継続されます。
いなスキ!クラブ | ビジター | |
入会金 | 無料 | – |
平日 | 無料 | 5,600円 |
土日祝 | 2,800円 | 5,600円 |
優先レーンパスポート | 4,200円 | 7,000円 |
シーズン券
昨シーズンから裏磐梯スキー場と北日光・高畑スキー場(会津高原高畑スキー場)も滑れる、実質3スキー場共通のシーズン券となりました。
加えて、今シーズンはいつでもリフトに優先乗車できる、優先レーンパスポート シーズン券が発売されます。
週末がメインのサラリーマンにとっては、待ち時間なくリフトに乗れるのことは物凄くうれしいですね。
シーズン券
優先レーンパスポート シーズン券 | シーズン券 | |
早割(~11月30日) | ||
大人 | 28,000円 | 18,000円 |
小・中学生 | 18,000円 | 8,000円 |
未就学児 | 8,000円 | 3,000円 |
価格 | ||
大人 | 48,000円 | 28,000円 |
小・中学生 | 28,000円 | 18,000円 |
未就学児 | 18,000円 | 8,000円 |
比較表
猪苗代スキー場HPより
磐梯山の熱き戦い
磐梯山麓には6か所のスキー場がありました。
しかし、猪苗代リゾートスキー場は事実上の閉鎖で、ファミリースノーパークばんだいX2は2シーズン営業を行っていません。
星野リゾートグループのアルツ磐梯と猫魔スキー場はリフト券が共通で実質一つのスキー場です。
そして、猪苗代スキー場と経営母体が同じ裏磐梯スキー場は年間利用者が1万人ほどのこじんまりしたスキー場です。
これらのことから、この地域では実質、猪苗代スキー場とアルツ磐梯・猫魔スキー場の2か所が競い合っています。
猫魔スキー場の南が「アルツ磐梯」、その東が「猪苗代リゾートスキー場」です。
シーズン券の比較
猪苗代地域のシーズン券は、猪苗代スキー場(裏磐梯スキー場)、アルツ磐梯・猫魔スキー場共通、そしてイナパスです。
3つのシーズン券を比較しても、その安さが際立っていることが分かります。
シーズン券 | アルツ磐梯、猫魔スキー場 | 猪苗代スキー場 | イナパス 猪苗代町全スキー場 共通シーズン券 |
対象スキー場 | アルツ磐梯 猫魔スキー場 トマムスキー場 | 猪苗代スキー場 裏磐梯スキー場 北日光・高畑スキー場 | 猪苗代スキー場 国設沼尻スキー場 Blue Resort MINOWA リステルスキーファンタジア |
早割 | 35,000円 | 18,000円 | |
通常価格 | 57,000円 | 28,000円 | 40,000円 |
主な特典 | 猫魔スキー場駐車場無料 アルツ磐梯第1~3駐車場無料 センター駐車場は土日祝・年末年始1,000円、平日無料 |
ちょこっと考察
2020年10月、猪苗代スキー場、裏磐梯スキー場、会津高原高畑スキー場の3スキー場を運営していた株式会社マックアースリゾート福島は、株式会社マックアースから株式会社IS ホールディングスに譲渡されました。
その後、株式会社マックアースリゾート福島は株式会社DMCaizuに社名を変更しています。
IS ホールディングスは、IT基盤を軸とした金融業者で、2020年3月期の連結売上高が208億 559万円、営業利益が40億8279万円と経営基盤がしっかりしている会社です。
猪苗代スキー場の経営は確実に上向いています。
2019/2020シーズンは記録的な小雪の影響で利用者数73%減という壊滅的なダメージを受けました。
しかし、積極的なプロモーションの甲斐あって、急速に利用者数を回復しており既にコロナ前を抜き、7年前の水準に戻っています。
短期的な損益には目をつむり、新型コロナウイルス騒動沈静化後のスキー場への投資として、知名度を上げ利用者を呼び戻すために、このリフト料金設定の効果が既に出ています。
#実際のところは分かりませんが、スキー場の経営は赤字で、他の事業が黒字なので営業利益を相殺することができ、結果として今までの納税額をスキー場への投資に回したことになります。
よって、経営を揺るがすほどでなければ、スキー場の短期的な赤字に耐えることができます。
最後に
もともと経営基盤の弱かったスキー場経営ですが、昨年の小雪、今年の新型コロナウイルスで息の根を止められようとしています。
しかし、本当の脅威は長く続く過当競争からくる経営難によりリフト、センターハウスなどへの投資ができていないことです。
一方、スノー人口が減ったとは言え、年間600万人が行うスポーツはそうあるものではありません。
しっかりとした戦略に基ずく設備への投資を行えば、魅力あるスキー場を提供でき、利用者も増えていくと思います。
もうしばらく淘汰の時代は続くと思いますが、この時期を乗り切り魅力あるスキー場になってほしいです。
激変! 福島県のスキー場運営会社 はこちら
実現可能な巨大なスキー場 福島編 はこちら
利用者28%増、しかし明暗が分かれた福島県の大手スキー場 はこちら
コメント