【考察】Mt.乗鞍スノーリゾートの売却検討について

スキー場 国内

先日、「Mt.乗鞍スノーリゾートの売却を検討」と新聞で報じられ、その後を追ってスキー場運営会社から報告がありました。

今後の方針について

Mt.乗鞍スノーリゾート運営会社の思いがつづられていましたので、要点を書きだしました。

  • 2018/19、2019/20、2020/21の3シーズン運営(注)
  • 一昨年度の雪不足、昨年度の新型コロナウイルスの影響で来場者数が2017年度比で5割減
  • このような状況からスキー場の売却を検討
  • しかしながらスキー場は100軒以上の宿泊施設を擁する乗鞍地域の冬の基幹産業
  • のりくら観光協会や松本市、長野県、環境省の方々と協力しながら、最後までお客様をお迎えする体制をとっていきたい

好意的に受け止めれば、売却の話がまとまらなくても、直ぐにスキー場を廃止することはないと読めます。

(注)2018年6月にマックアースがブルーキャピタルマネジメントにスキー場を譲渡

Mt.乗鞍スノーリゾート 今後の方針について はこちら

営業状況

官報によるとMt.乗鞍スノーリゾートを運営する株式会社Blue Resort乗鞍 第8期決算公告では、2017/18シーズン終了時点で、約6400万円の累積赤字(利益剰余金がマイナス)を抱えていることが分かります。

  • 決算末日 :2018年9月30日
  • 純利益  :  ▲2,862,000円
  • 利益剰余金:▲63,765,000円

外部要因の影響も大きく不運が重なりましたが、Blue Resort乗鞍がスキー場運営を開始した2018/19シーズン以降、利用者数は激減しているので、現時点での累積赤字はさらに膨らんでいると考えられます。

スキー場を取り巻く環境

多くのメディアでスキー場利用者数が減少したと喧伝されていますが、それはバブル時からの減少をさしており、近年の利用者数は安定しています。

長野県のスキー場利用者数も、過去10年ほぼ一定です。

また、Mt.乗鞍スノーリゾートの利用者も、小雪、新型コロナウイルスの影響を除けば、そこまで大きな変動はありません。

次に利用者のMt.乗鞍スノーリゾートへのアクセス方法と、競合となるスキー場を考えてみたいと思います。

岐阜方面から向かう場合は国道158号線を通ることになり、途中岐阜県側に約10万人の利用者がある「ほうのき平スキー場」などが競合となります。

中京圏、首都圏からは長野自動車道を利用し松本ICから約1時間です。

途中の奈川渡ダムで分岐して向かう、利用者数約3万人の野麦峠スキー場が競合となります。

そして、最大の競合は、同じく松本ICから約1時間で到達できる白馬エリアで、白馬村の5つのスキー場だけで約100万人の利用者がいます。

将来的には中部縦貫自動車道の沢渡IC(仮称・未定)が近くにできる可能性もあり、そうなれば一気に利便性が向上しますが、完成時期の目処は立っていません。

考察

近年の情勢から考えて、全国的にスキー場の利用者が急増するとは考えにくい状況にあります。

中部縦貫自動車道の開通は、Mt.乗鞍スノーリゾートにとって大変大きな追い風となりますが、現時点ではいつになるか分かりません。

そうすると、長野県のスキー場利用者数が変わらないという前提で、Mt.乗鞍スノーリゾートの利用者数を増やすためには、先に挙げた競合スキー場から利用者が流入する必要があります。

しかしながら、白馬エリアなどの強力なライバルに勝てるコンテンツを見つけるのは難しそうです。

また、標高を生かしてかぐらスキー場のように、春スキーのメッカとして売り出したいところですが、スキー場上部に乗鞍エコーラインが横切っており4月には除雪が始まります。

そして、スキー場の営業安定に欠かせない夏のアクティビティも、近くに強力なコンテンツの夏の乗鞍があり、集客に苦労しそうです。

これらの状況から、現在のスキー場の利用者数7~8万人で運営が成り立つ(営業収益を上げる)方法を考える必要がありそうです。

加えて、近いうちに訪れるスキーリフトなどの建て替え費用のプールも必要です。

そうは言っても、国土交通省官公庁の設置した「スノーリゾートの投資環境整備に関する検討会」の調査結果からも分かる通り、スキー場(リフト券収入)の運営だけで黒字化をすることは大変難しい状況です。

一方、「今後の方針について」でも述べられている通り、スキー場は乗鞍地域の冬の基幹産業です。

と言うことは、乗鞍地域の事業者はスキー場の恩恵を受けていることになります。

すなわち、恩恵を受けている事業者がスキー場運営の赤字を補填する、あるいはスキー場を買い取る、というのも有力な解決策の一つになると考えます。

最後に

スキー場運営に限らず、会社経営は黒字を出すことが使命です。

赤字のままで事業を継続することはできず、苦しい状況は変わりないとしても、利益を得ている事業者がスキー場に協力(出資など)をしていくしか解決の方法は無いように思えます。

補足)本考察は、インターネットで公開されている情報のみを元に行っています。
   実情と違うこともあると思いますが、その場合はご容赦ください。

 

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コメント

  1. ここもコースとリフトの配置の問題で、休止できるリフトが無さそう。
    駐車場も離れて何ヶ所かにわかれてるんですね。
    それなりの規模なのに赤字な所って、共通してリフトや駐車場に人件費かかりそうな雰囲気してる気がする。。。

    前回記事の胎内スキー場はリフト6〜7機(高速系無し)で7万人。
    ニノックスは高速2、固定1で5万人。

    • 新潟レジャースキーヤーさん、鋭い分析ですね。
      人件費は重要な要素です。
      乗鞍は国立公園内にあるので、施設を造ることに制約が多いのかもしれません。