NSAA(National Ski Areas Association:全米スキー場協会)から、2023/2024シーズンの全米スキー場利用者数が、過去5番目の記録となったと発表がありました。
プレスリリースの内容などを交えて、現状をご紹介します。
NSAA(全米スキー場協会)
NSAA(全米スキー場協会)はスキー場の所有者と運営者のための業界団体です。
全米のスキー場利用者の90%以上が訪れる300を超えるスキー場と、山岳リゾート業界に設備、商品、サービスを提供する数百のサプライヤーが加盟しています。
利用者数とスキー場数
2023/24シーズンの全米のスキー場利用者数は6,040万人(速報値)で、過去5番目の記録でした。
いくつかのスキー場はまだ営業中ですが、最終的な数字に大きな違いはないでしょう。
全スキー場の営業終了後に最終的な数値をまとめ、リリースが更新されます。
スキー場規模別利用者数
超大型リゾート場が利用者の57%を占め、小規模スキー場は全米のスキー場の59%を占めるが、利用者数は13%でした。
NSAAは、スキー場の規模を1時間あたりの垂直輸送フィート数(VTF/h)(リフト輸送力)で定めています。
スキー場数
全米で営業したスキー場の数は487か所となり、前シーズンから7か所増加しました。
これは、7つのスキー場の再開、1つのスキー場の新設、合併による1つのスキー場の減少によるものです。
利用者数増加要因と今後の課題
以下プレスリリースの参考訳です。
降雪量
歴史的に、スキー場の利用者数の変動は降雪量と相関関係があります。
今シーズンの全米のスキー場の平均降雪量は158インチ(401cm)で、いくつかのスキー場にとっては記録的な降雪量であった前シーズンの平均225インチ(572cm)とは対照的でした。
10年間の平均は約173インチ(439cm)です。
平均シーズン日数は106日で、前シーズンからわずか7日減少しただけでした。
これは平均降雪量以下の年におけるスノーメーキングの重要性を証明するものです。
設備投資
2023/24シーズンの設備投資総額は7億5,430万ドル(約1,100億円)でした。
全米のスキー場でリフト99基が新設および更新され、平均すると、利用者1人当たり29.20ドルをスキー場に再投資しています。
再投資額が前年を平均で4ドル以上上回ったことは、利用者数が減少したにもかかわらず、スキー場が利用者の満足度向上に引き続き注力していることを示しています。
2024/25シーズンの設備投資額は、リフト71基の新設および更新計画を含め、約5億ドル(約750億円)に達すると予測されています。
シーズンパス利用者数は好調を維持
5シーズン連続で、シーズンパス所有者が利用者に占める割合がトップでした。
シーズンパス所有者の利用者数は全国で50%を占め、1日または複数日リフト券の利用者数は31%でした。
残りはfrequency products(注)(3%増)、非番の従業員、招待券などです。
(注)frequency productsとは、シーズンの内、限られた日数だけ利用できるリフト券です。
U.S. Ski Industry Reports Data from 5th Best Season on Record (5.22.2024) はこちら
最後に
アメリカのスキー場利用者数は日本の3~4倍、人口が2.6倍なので、そこまで大きな比率の差はありません。
しかし、アメリカのスキー場の数は487か所で日本とほぼ同数なので、スキー場当たりの利用者数が3~4倍違うことになります。
ここに、日本のスキー場が盛り返すための必要条件があるように思えます。
日本のスキー場の数 と スキー場が多い都道府県トップ10 はこちら
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