2022年9月、2021年度の鉄道輸送統計調査報告書が公開されました。
同報告書の中には、ロープウェイ・ゴンドラ(普通索道)とリフト(特殊索道)の旅客数が掲載されているので、見ていきたいと思います。
普通索道と特殊索道
あまり馴染みのない言葉だと思いますので、普通索道と特殊索道について簡単に説明します。
普通索道とは、ロープウェイ、フニテル、ゴンドラなど、ワイヤーロープから吊るされた搬器が輸送中に密閉(窓は有ってもよい)されているものです。
特殊索道とは、リフトのことで、ワイヤーロープから吊るされた搬器が輸送中に開放されているものです。
ロープトゥ、マジックカーペットなど空中に浮くことがない装置は、索道に含まれません。
これら索道は、鉄道事業法によって定められています。
旅客数
旅客数とは索道に乗車した回数のことです。
スキー場リフト1日券を購入すると何度もリフトに乗ると思いますが、その都度旅客数としてカウントされます。
1日でリフトに20回乗ったとすると、1人で旅客数20人となります。
都道府県別の旅客数にはスキー場のグリーンシーズンや、箱根ロープウェイや高尾山の観光リフトなどのスキー場以外の索道も含みます。
と言っても、大半の旅客はスキー場の利用者です。
グリーンシーズンの観光リフトの利用は、多くても1日に1往復2回ですが、スキー場だと数十回乗車することも珍しくありません。
ちなみに、回数券の販売が無いスキー場でもリフト乗車人数を数えるのは、法律で報告義務があるからです。
旅客数ベスト10
それでは、旅客数ベスト10です。
ほぼ、スキー場の利用者数の順位と同じですね。
スキー場が無い県のトップは、12位の神奈川県で4,008千人の旅客数がありました。
箱根ロープウェイ、よみうりランドのスカイシャトル、YOKOHAMA AIR CABINの利用者が多かったと思われます。
順 位 |
都道 府県 |
2021年度 (千人) |
対前年比 | 内普通索道 (千人) |
内特殊索道 (千人) |
1 | 長野 | 56,154 | 26%増 | 5,287 | 50,867 |
2 | 新潟 | 32,684 | 31%増 | 3,083 | 29,601 |
3 | 北海道 | 32,072 | 13%増 | 4,218 | 27,854 |
4 | 群馬 | 17,369 | 19%増 | 1,449 | 15,920 |
5 | 岐阜 | 15,134 | 19%増 | 1,820 | 13,314 |
6 | 兵庫 | 10,477 | 19%増 | 939 | 9,538 |
7 | 福島 | 8,456 | 18%増 | 271 | 8,185 |
8 | 滋賀 | 7,968 | 13%増 | 1,048 | 6,920 |
9 | 山形 | 7,253 | 19%増 | 779 | 6,474 |
10 | 岩手 | 4,938 | 19%増 | 876 | 4,062 |
リフトが無い県
2021年度には10府県でリフトの運行がありませんでした。
スキー場はあるがリフトがないのは、埼玉県、奈良県、高知県です。
2018/2019シーズン終了まで、埼玉県の狭山スキー場に2基のシングルリフトがありましたが、改修によりマジックカーペットになりました。
奈良県のスノーパーク洞川と高知県の天狗高原スキー場(営業不明)は、ロープトゥのみのスキー場です。
香川県は、スノーパーク雲辺寺(ロープウェイの夏営業は継続)が廃止、佐賀県は天山スキー場が倒産したためリフトが無くなりました。
ロープウェイ・ゴンドラが無い県
2021年度には14都府県でロープウェイ・ゴンドラの運行がありませんでした。
スキー場はあるがロープウェイ・ゴンドラがないのは、福井県、愛知県、岡山県、大分県、宮崎県の5県です。
島根県は、瑞穂ハイランドの営業再開がありゴンドラの営業がありました。
豪雪地帯の福井県にゴンドラが無いのがは意外でした。
索道が無い県
全国で索道が無いのは、大阪府、和歌山県、高知県、佐賀県の4府県です。
最後に
旅客数は利用者数とイコールではありませんが、スキー場に客足が戻っていることは確実です。
今シーズンは、もっと客足が戻ってきてほしいです。
コメント
神奈川県は横浜のゴンドラの影響があるのかもしれませんね。
休日はいつも行列ができています。自分は値段が高いのでまだ乗ったことはありませんが…
ありがとうございます。
YOKOHAMA AIR CABIN は集客力がありますね。