2022年5月17日、白馬乗鞍温泉スキー場がペアリフトを新設することを発表しました。
(標高差、営業予定などについて後日訂正)
そして、7月28日、シーズン券、リフト券などの全チケットが白馬コルチナスキー場と共通となることが発表されました。
白馬乗鞍温泉・白馬コルチナスキー場
利用者数
長野県小谷(おたり)村にある白馬乗鞍温泉スキー場と白馬コルチナスキー場は、HAKUBA VALLEY(ハクバ バレー)の最深部、つがいけマウンテンリゾート(栂池高原スキー場)の奥にあり、両スキー場は2か所で連結しています。
新型コロナウイルスの影響が出る2018/19シーズン以前は、つがいけと合わせた小谷村3スキー場の合計で利用者数が約45万人でした。
内訳は発表されていませんが、その内、両スキー場の利用者は8~9万人でした。
全チケットの共通化
7月28日、白馬乗鞍温泉と白馬コルチナスキー場の全チケットが共通化されることが発表されました。
今までも共通リフト券は発売されていましたが、今シーズンからは一部の特別なチケットを除き、個別のリフト券は発売されないということです。
このことにより、リフト本数15本、コース数30コースの巨大スキー場が出来上がったことになります。
Hakuba Valleyでは、エイブル白馬五竜とHakuba47に次ぐ全リフト券の共通化で、利用者数では⽩⾺岩岳スノーフィールドと肩を並べる規模になりました。
もともとパウダーフリークに人気の白馬コルチナと、白馬乗鞍の新パウダーゾーンが合わされば長野県を代表するスキーエリアになることが現実味を帯びてきました。
白馬乗鞍温泉スキー場
新設ペアリフト
2022年5月17日、かねてより噂のあったリフト新設の発表がありました。
新型コロナの影響で、建設時期を見極めていたと考えられます。
「新設されるのは、アルプス第5高速ペアリフト横より乗車し、標高1,598m地点まで乗車する第11ペアリフト。若栗ゲレンデ下部までの標高差は730mとなります。」プレスリリース(訂正後)より引用
「新設されるのは、アルプス第5高速ペアリフト横より乗車し、標高1,598m地点まで乗車するリフト。アルプス第1ペアリフト乗場までの標高差は898mとなり、「ハクバ」ロングランコースが完成します。」プレスリリース(訂正前)
標高から推測すると山頂駅は「若栗の頭」と呼ばれる尾根沿いの少し高くなった場所で、バックカントリー愛好家の間ではよく知られた場所です。
youtubeでいくつかの動画を見つけることができました。
建設スケジュール
5月20日に起工式が行われ、リフト支柱の建設が始まりました。
リフトは本格的に雪が降り始める前の12月(当初は11月)に完成する予定で、2022/2023シーズンから稼働を開始します。
ただし、通常のゲレンデ内のリフトとしてではなく、通年営業の山岳観光リフトとし、リフトの利用には入山届等の必要書類の提出が必要となります。
- 2022年5月20日:起工式
- 2022年12月 :完成
プレスリリースより引用
考察
建設開始当初は、安全面および自然環境保全の観点から冬季滑走コースとしていましたが、2022/2023シーズンから営業することになりました。
リフト新設の目的は、スキー場利用者と直営の白馬アルプスホテルの宿泊客の増加であることは間違いありません。
冬は極上のパウダーが手軽に楽しめるようになり、夏は大自然の景観を楽しめることでしょう。
投資計画
リフト新設という投資を行うからには、その投資額を回収計画が必要です。
初期投資額(リフト建設とゲレンデ造成費用)以外は発表されていませんが、20年で投資を回収するとして、どのくらいの利用者が必要なのか算出してみました。
仮定の数字ですが、冬季に5,000人(10%)増、夏季に10,000人の利用者があれば、投資を回収できそうです。
現状から考えると、スキー場の利用者数の約10%増は実現可能性の高い数値で、白馬コルチナとリフト券の共通化を行ったことにより積み増しが期待できます。
また、ホテルの宿泊者が増えることを考慮すると、もっと早く投資が回収できそうです。
投資回収期間:20年
冬季に5,000人増、夏季に10,000人の利用者があれば20年間で投資を回収できそうです。
初期投資・維持管理費
- 初期投資:5.0億円
- 維持費 :0.6億円(300万円x20年)
- 人件費 :2.4億円(リフト係:6人 x 時給1000円 x 1日10時間 x 営業日数200日 x 20年)
- 合計 :8.0億円
売上高
- 冬季 :4.0億円(増加利用者数5,000人 x 平均リフト代4,000円 x 20年)
- 夏季 :4.0億円(利用者数10,000人 x 平均リフト代2,000円 x 20年)
- 合計 :8.0億円
運営会社
白馬乗鞍温泉スキー場は白馬アルプスホテルが運営し、地元小谷村の鷲澤建設が親会社です。
コロナ前には、両社合わせて約21億円の売上高がありました。
この規模の会社にとって初期投資5億円は大変大きな額ですが、ゲレンデ造成等は親会社の鷲澤建設が受注すると考えられるので、実投資額はもう少し抑えられるのかもしれません。
株式会社白馬アルプスホテル
売上高:2億5500万円(2021年度)
7億500万円(2018年度)
株式会社鷲澤建設
売上高:14億円(2020年度)
最後に
2022/2023シーズンから、リフトの冬季営業開始が発表されました。
今年の冬は楽しみですね。
実現可能な巨大なスキー場 長野県小谷村 はこちら
コメント
集客増を見込むなら、駐車場も見直しが必要ですね
今でさえいっぱいになる時があるのに、パウダー狙いの人が大挙してくると駐めるところが無くなります
(コルチナでさえ大雪のあとは大変なのに…)
確かに、コルチナに比べても駐車場が少ないですね。
加えて、大雪が降ると雪の山で駐車場が狭くなるし。
利用者が増えたら、駐車場も増強ですね。