スポーツの怪我などによりで半月板の損傷をしている方に朗報です。
今まで、半月板の再建は不可能と言われてきました。
半月板の損傷で、ウインタースポーツに限らず、将来に不安を抱えながら競技を続けているスポーツ選手がいますが、再建できるとなるとその不安が和らぎます。
#ニュースの内容のみ知りたい方は、始めの2項を読み飛ばしてください。
半月板
半月板は、膝のお皿の下、大腿骨と脛骨の間にある、内向きと外向きの二つの三日月形の軟骨です。
膝を動かす時、骨と骨が擦れることを防ぎます。
半月板が無くても、痛みはなく、骨が変形していなければ日常生活に問題はありません。
レジャースキー、スノーボードであれば、問題なく行うことができます。
しかし、徐々に大腿骨と脛骨が摩耗することにより、いきなり障害が発生する恐れがあります。
その時期は誰も予測することができず、医師にスポーツを止められることもありません。
ただ、恐怖心を抱えながらスポーツをするだけです。
怪我との共存
私は、右膝の手術を2回行っています。
1度目は滑走中、いきなり脛骨、腓骨が粉々になり、10名を超える医師と、看護婦が見守る中の大手術を行いました。
その時、骨の固定に使用した金具の数は30個以上、ネットを探しても足にここまでの金具が入ったレントゲン写真は見たことがありません。
この手術、医師や看護婦の方々のおかげで大成功に終わり、今では日常生活においてはほぼ問題がなくなりました。(ただ、正座はできません)
半月板も剥離していたようですが、元の位置に戻していただけました。
余談ですが、手術で医師の数が多かったのは、過去にない症例(怪我)だったらしく、整形外科の全医師が執刀を見学していたようです。
それから10年弱が経ち、筋力もだいぶ戻ってきたていた時に、いぜんから気になっていた右足膝の違和感を診察してもらう機会がありませした。
MRIと撮ったところ、半月板が切れているということでした(涙)
まったく痛みが無いのでそんな状態になっていることは想定外で、かなりのショックでした。
半月板の再建をすることはできず、切れて半年以内ぐらいであれば縫合できるとのことでしたが、強度が弱いので、いずれ切れるだろうと言われました。
半月板の切れた部分が関節の間に挟まると関節が動かなくなる(ロッキング)ので、削除手術を受けました。
切れてから日が経っていたようで、残念ながら半月板を切除することになりました。
当時、医療機関と軟骨再生について研究している知人がいてアドバイスをいただいたのですが、半月板は血管が少なく、人間の力での再生は困難で、また他の傷害に比べて受傷者が少ないので、研究があまり行われていないとのことでした。
半月板再生基材について臨床試験開始
ここまでお話ししたような過去の経緯があったので、このニュースを聞いた時には本当に驚き、喜びました\(^o^)/
既に、基礎研究の段階を終え、臨床試験が開始されたということは、実現までにそこまで長い時間を要さないということです。
20年前には、日本で数えるほどの病院でしか行えなかった靱帯再建手術が、今では全国の病院で行えれることを考えると、近いうちに半月板再生も一般的になることでしょう。
グンゼからの発表の概要です。
- グンゼ株式会社は、大阪医科薬科大学病院にて半月板再生基材を使用した膝半月板治療の探索的臨床試験に入った
- 大阪医科薬科大学医学部の大槻周平講師とともにグンゼの吸収性医療機器製造技術を活用し、自己組織置換型の半月板再生基材を開発
- 半月板再生基材とは、生体内吸収性材料と縫製・加工技術を、ハイブリッドに構成したもの
- これを手術現場で患者さまの損傷した半月板形状に合わせてカットして、自己の半月板と縫合して固定
- 初期には代用半月板として膝のクッションの役目を担いながら、基材の中に患者さま自身の細胞が侵入し、自己組織として定着していきます
- 動物を用いた基礎実験では約1年でほぼ元の強さの半月板様組織に修復していることが確認された
- 今後は、探索的臨床試験を進めたのち、より多くの患者さまを対象にした検証的臨床試験を行い、2028年度の承認取得を目指す
2021年09月16日 グンゼ株式会社 半月板再生基材について臨床試験開始 はこちら
「半月板再生基材」外観。グンゼ株式会社のニュースリリースより
最後に
半月板の損傷が分かってから、ランニング、スクワッド等、膝に負担がかかる運動を極力行わないようにし、一年でもながくスキーを続けられるよう頑張ってきました。
2028年度の承認であれば、私の生きているうちに治療が受けれそうです。
将来、治療方法が確立される可能性が高くなったので、(少し)安心してウインタースポーツを楽しみたいと思います(^.^)
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