全国で雪が降り続いていますね。
こんな降雪は何年ぶりでしょうか。
ちょっと前までは、シーズンに何度かあったんですよね。
新雪が好きになったきっかけ
今でこそコブを滑っていますが、一番好きなのは新雪です。
しかし、スキーを始めて10年ぐらいは、コブも新雪も大嫌いでした。
新雪が好きになったきっかけは、今から25年くらい前、カナダに住んでいるときでした。
当時はカービングスキーの出現前、今でいうえんぴつ板(190cmを超える真っすぐで細い板)でした。
浮力もなく、技術が未熟な私では、新雪など手も足も出ません。
カナダのウイスラーという町に住んでいたのですが、地元の人は意外とスキーをしなんです。
ふだんは、リフト待ちもない平和なゲレンデです。
それが、新雪が降ると状況が一変します。
運行開始時間前から、リフト前には長蛇の列です。
しかし、新雪が降るとアバランチコントロール(人工雪崩の発生)のためオープン時間が1、2時間遅くなります。
みなんでワイワイガヤガヤ話をしながらリフト待っていますが、リフトが動き出すと大歓声が起こります。
外国の方は声が大きいので、ほんとうにすごい歓声です。
リフトを降りる尾根伝いのコースを滑り、ノートラックの新雪を見つけて次々にドロップしていきます。
そんな光景を間近に見ていると、新雪は楽しいと勘違いしちゃいますよね(笑)
そんなこんなで、何度も新雪に埋もれながらアタックを繰り返すうちに、いつしか新雪が大好きになっていました。
標高差 11,000 m
ウイスラーでスキーガイドをしていたので、ほぼ毎日滑っていました。
ゲレンデをガイドをしながら流して滑っても、日本では信じられないような距離を滑っています。
お客様は、1週間だけのオフなので頑張って滑られますが、ガイドはず~と滑っているので、休日や空いた時間に滑るということはあまりせず、しっかりと休息をとっていました。
しかし、新雪が降ると状況が一変します。
みんなが待ち望んでいた大量降雪後、パウダースノーエリアがオープンする時は朝から祝砲が鳴り響きます。
祝砲とは、アバランチコントロールで使用する本物の大砲のことで、ゲレンデに向けて打ち込み、人工的に雪崩を誘発し安全を確保します。
新雪が大嫌いだった私も、いつしかパウダージャンキーに成り下がってしまい、大砲の音に釣られて山に上がるようになりました。
普段はそこまで滑ることはないのですが、このときばかりは狂ったように滑りまくります。
1日の最高滑走標高差は約11,000 m なんですが、それは1日中パウダーを滑りまくった時です。
富士山3回分のパウダーですよ。
幸せでした。
向かい見えるWhistler Mountainの森林限界の上の白い部分が、最高のパウダーエリアです。
“Whistler Mountain from Seventh Heaven” by Ruth and Dave is licensed under CC BY 2.0
最後に
あのころは若かった。
今は、目の前にパウダーがあっても体力が持たず、そんなに滑れないでしょうね。
しかし、短い距離なら若いもんに負けませんよ(笑)
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