日本はスキー場の数が多い、と言う話をよく聞くので世界のスキー場の数を調べてみました。
と言っても国内と違い言葉の壁があるので、直接調べることに限界があります。
そこで、各国のスキー場数が掲載されている2つのデータをご紹介します。
International Report on Snow & Mountain Tourism
International Report on Snow & Mountain Tourism(雪山観光に関する国際レポート)は、スキービジネスとスキー場経営の専門家、Laurent Vanat氏が執筆したレポートです。
レポートは、2004/2005シーズン終了後、スイスのスキーリゾートをアルプスや北米のスキーリゾートと比較することから始まりました。
その後、国際的なベンチマークデータの需要が高まり、調査対象国を2009年版の7カ国から2020年の72カ国まで拡大しました。
最新は2023年版ですが、無料で公開されている2022年版のデータを利用しています。
国別スキー場数
2022年版(2020/2021シーズン)では、日本とポーランドのデータが更新されました。
日本はスキー場が50か所、リフト総数が600本近く減り、より現実に近い値になったように思います。
しかし、まだ、スキー場の数は現実より60~90か所(スキー場の定義による差)多いようです。
トップ10の他の国のデータは前年と同じでした。
スキー場総数
世界的に見ると、全土が降雪地帯のカナダ、スウェーデン、ロシアなどは小規模なスキー場の割合が大変高く、アルプス山脈があるイタリア、フランス、オーストリアでは、長期滞在が可能な大規模リゾートの割合が高くなっています。
1位 中国
近年急速にスキー場の数を増やしている中国が断トツの1位となりました。
しかし、中国のスキー場はほぼ全て人工降雪機で雪を降らしており、小規模なスキー場が大多数を占めていて、利用者数も日本には及びません。
2位 ドイツ
日本のスキー場数が減少したことにより、僅差でドイツが2位に浮上しました。
アルプス山脈を除き、高い山の少ないドイツは日本以上に小規模なスキー場が多く、リゾートと呼ばれるエリアは日本の半数以下です。
3位 日本
日本のスキー場数は500か所強ですが、これは索道(リフト)のないロープトゥのみのスキー場も含んでおり、この調査の対象となる索道の有るスキー場は400か所強です。
日本のスキー場の数 と スキー場が多い都道府県トップ10 はこちら
スキー場(リフト5本以上)
1位 アメリカ
圧倒的1位はアメリカでした。
広い国土に大規模なリゾートが数多く存在し、年間スキー場利用者数も世界一です。
2位 フランス
アルプス山脈の西端に位置し、世界最大のスキー場トロアバレーを始め、数多くのリゾートが存在します。
3位 イタリア
北部のアルプス山脈にスキー場が密集しています。
4位 オーストリア
国土の南半分がアルプス山脈の中にあるオーストラリア。
大規模なスキー場が国中に点在しています。
5位 日本
全スキー場の1/4がリフト5本以上を備え、5位にランクインしました。
人口あたりのスキー場数
次に、50か所以上のスキー場がある国の、人口当たりのスキー場数を算出してみました。
冬季オリンピックで最も多くのメダルを獲得しているノルウェーが1位で、25,000人に1か所のスキー場があることになります。
アルペンスキー大国のオーストリアが2位で、35,000人に1か所のスキー場があります。
3位には北欧のスウェーデンが入り、トップ10の内9か国がヨーロッパで占められています。
多くのアルペン界のスパースターを抱えるアメリカは、人口が3億人を超えることもあり16位でした。
日本は13位で、25万人に対して1か所のスキー場がありました。
出典:2022年、国際連合統計部人口部門の作成した世界の人口推計を基に計算
snow-forecast.com
snow-forecast.comは世界各国のスキー場の天気予報を行っているサイトです。
掲載されているスキー場は比較的規模が多いものが多く、実数に比べて少ない数字となっていそうです。
国別スキー場数
スキー場の数は日本が断トツの1位で540か所となっていました。
この数は雪山観光に関する国際レポートとほぼ同じです。
2位はアメリカで、日本の約25倍の面積があり、この数はうなずけます。
かつてはアメリカも日本のようにスキー場が乱立していましたが、構造改革が進み大規模なスキー場に集約されてきました。
3位にはアルペン大国オーストリアが入ってきました。
snow-forecast.comでは、情報量の少ない一部の国、中国、スウェーデン、ロシアなどのスキー場の数は、ものすごく少なくなっています。
天気予報の提供が目的なので、利用者が少ないスキー場を掲載しないのは当然のことかもしれません。
最後に
こうみると、世界の中で日本はスノースポーツの環境に恵まれていることが分かります。
冬になったらスキー場に足を運ぶ回数を増やしましょう。
日本のスキー場の数 と スキー場が多い都道府県トップ10 はこちら
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