昨日に続き、零下30℃のスキー場のお話です。
最後に後日談を載せています。
まだの方は先に、こちら をお読みください。
よく当たる天気予報
北米大陸の天気予報は大変良く当たります。
前線は西から東に移動し、いつ雪が降るか予想が容易です。
カナディアンロッキー山脈の中にあるレイクルイーズは、ベースで1645m 頂上で2636mと標高も高く大変寒い場所なのですが、降雪量はあまり多くありません。
しかし、最高気温が氷点下の日が数か月続くので、雪質は最高です。
雪が降ると暖かい?
地元民のあいだでは、「今日は雪が降って暖かいね。」というあいさつがかわされます。
「?」ですよね。
日本では、「雪が降る=寒い」ですよね。
しかし、雪は暖かい日(零下10℃ぐらい)でしか降りません。
雪が降らない、すなわち晴れた日が続くと日増しに気温が下がっていき、零下30℃を下回ります。
正確なオンでは覚えていないのですが、当時は零下30数℃になるとスキー場が営業中止になっていました。
もちろん、営業中止の日も経験しました。
気温の下がり方
カナディアンロッキーといえども人が住んでいる場所で、零下30度を下回るのは年に数回なので、数日前から話題に上り始めます。
なぜ、予想がつくかというと、気温の下がり方に特徴があります。
このような低温は快晴無風の日が続くと起こります。
放射冷却で冷えた冷気が谷底にたまります。
冷たい空気は暖かい空気より重いので、谷底から動きません。
次の日も放射冷却が起こり、また気温が下がります。
日増しに、最低気温が下がっていくのがよく分かります。
また、レイクルイーズは海岸から約800kmあり、加えて前線は海上で発生するので、到達するまでに数日かかります。
なので、どこまで気温が下がるのか予測ができるのです。
北米大陸の平野部では、下の写真のようにはっきりと前線を見ることができます。
“Divided Skys” by caribb is licensed under CC BY-NC-ND 2.0
後日談
ガイドをしているときは、お客様が凍傷にかからないように、細心の注意を払ってアドバイス(誘導)します。
しかし、2日目からは自由行動です。
危険なことはお伝えしますが、行動はお客様自身で決められます。
次にお会いするのは、緊急連絡がない限りチェックアウトの時です。
先日、イヤリングのお話をしましたが、外さずに滑られたお客様がおられました。
耳たぶが倍以上に膨れ上がり、かつ紫色に変色していました。
日本に帰られ病院に行かれたと思いますが、回復することをお祈りするばかりです。
日本でも零下20℃程度にはなることはありますので、十分気を付けてスキー、スノーボードをお楽しみください。

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