昨今、SAJスキー検定のテクニカルプライズの合格が難しくなってきたいう話を聞きます。
そんな気もしていたのですが、なにぶんデータがなくはっきりとしことは分かりませんでした。
そんな中、青森県スキー連盟が公開している過去20年以上にわたる合否のデータを見つけることができました。
そのデータを元にうわさの検証をしてみたいと思います。
出典:一般財団法人青森県スキー連盟 バッジテスト結果集計表
合格率と受験者
単年だと受験者数の少ないプライズテストのバラツキが大きいので、過去5年分の合格率を算出しました。
2015/16~2019/20の合格者数/受験者数(単年の合格率の平均ではありません。)
2級 | 1級 | テクニカル | クラウン | |
合格率 | 81% | 62% | 35% | 29% |
この値は、以前アンケートをとった時に算出した想定合格率よりはるかに高い値です。
また、私の見たことがあるデータの中でも飛びぬけて高い合格率です。
(他のデータについては別の機会にご紹介します。)
合格率の高さとして次のようなことが考えられると思います。
- 雪国でスキーが文化として根差している。
- 小学校から授業の一環としてスキーを習っている
- 首都圏などスキー場がない他県からの受験者が少ない
このほかにも、身近にスキーをしている人が多いので、合格のレベルに近づかないと受験をためらわれる、といったことがあるのかもしれません。
合格率の推移
合格率が高めだとしても、一定の条件の検定であれば傾向をみることはできると思います。
1997/98~2019/20までの23シーズンの合格率の推移です。
1996/97シーズンのデータもあるのですが、少し特異だったので除外しました。
受験者が多い2級と1級の合格率はシーズン毎のバラツキが少ないのですが、テクニカルとクラウンは受験者が少なくバラツキが大きく出ています。
1級とテクニカルの合格率の傾向
前のグラフでもなんとなく傾向が読み取れますが、はっきりと分かるように1級とテクニカルの合格率を抜きだし、近似線を加えてみました。
どうですか、傾向がはっきりと出ましたね。
1級は年々合格しやすくなり、テクニカルは合格しずらくなっていることが良く分かります。
受験者の母集団(の居住地)が、1級とテクニカルで異なるとは考えられません。
そうすると、1級が易しくなったことにより、以前よりテクニカル受験する方のレベルが下がったと考えることもできます。
しかし、実際にはテクニカル受験者数が増えているわけではないので、テクニカルの合格基準が高くなっているように思えます。
どのような理由にせよ、1級とテクニカルの合格レベルの差が広がっている、結果としてテクニカル合格が難しくなっているのは間違いないようです。
最後に
1つの県のデータなので確実にこうだ、と言い切れるものではありませんが、母集団が同じなので傾向としては正しいと思います。
最後になりましたが、貴重なデータを公表いただいた青森県スキー連盟に、この場を借りてお礼を申し上げます。
他の県連関係者がお読みになられていましたら、スキー検定を盛り上げるために、合否のデータの公表をぜひご検討いただきますよう、よろしくお願いいたします。
スキー検定にご興味がある方はこちらに随時記事をアップしていますのでご覧ください。
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