今シーズンは白馬方面が当たり年ですね。
天然雪で営業しているのは、白馬方面、志賀高原、東北そして北海道のスキー場でしょうか。
しかし、気温が下がらず、あまりコンディションはよくないようです。
他の地域でオープンしているスキー場は、人工造雪機か人工降雪機の力を借りてなんとかゲレンデを維持しています。
全てのゲレンデで、気温がプラスでも雪を造ることができる人工造雪機を導入すればよいのですが、コストが高くそうもいきません。
一方、人工降雪機は経済的なのですが、活躍するには気温が氷点下になる必要があります。
そこで、両者のゲレンデ造成能力がどのくらい違うのか調べてみました。
人工造雪機
人工造雪機の最大手は福岡県にあるアイスマン株式会社です。
イエティを始め、軽井沢プリンスホテルスキー場、白鳥高原スキー場、九重森林公園スキー場などに納入しています。
人工造雪機の設備は大きく、何かの工場のように見えます。
そして、たくさんの雪を造るためには、より巨大な工場が必要となります。
全国のスキー場にある人工造雪機の能力のうち、雪(氷)の元となる水の使用量をみてみましょう。
- 広島県 ユートピアサイオト :1420トン/日
- 静岡県 スノーパークイエティ : 650トン/日
- 長野県 軽井沢プリンスホテルスキー場: 450トン/日
(100トン/日×1基、50トン/日×7基) - 兵庫県 六甲山スキー場 : 240トン/日
- 埼玉県 狭山スキー場 : 200トン/日
ユートピアサイオトの人工造雪機はフル稼働をしていないと話があり、確実に稼働しているものとしてはイエティが最大で1日に650トンの雪を造ることができます。
スノーパークイエティの人工造雪機
人工降雪機
人工降雪機の国内最大手は、長野県にある樫山工業です。
軽井沢プリンスホテルスキー場、佐久スキーガーデン「パラダ」をはじめ、全国のスキー場に納入されています。
同社のHPにある人工降雪機の中で、最大の降雪能力を持つKB-911のスペックを見ていきたいと思います。
降雪性能(KB-911) | |||||||
気温(乾球/湿球) | -0.5/ -1.5 | -1.0/ -2.0 | -2.0/ -3.0 | -3.0/ -3.9 | -4.0/ -4.8 | -5.0/ -5.8 | -10.0/ -10.5 |
降雪量(m³/h) | – | 10 | 14 | 20 | 26 | 32 | 52 |
使用水量(L/min) | – | 80 | 120 | 170 | 220 | 270 | 435 |
樫山工業 HPより
この数字だと比較しにくいので、1日あたりの使用水量(トン)に換算します。
降雪性能(KB-911) | |||||||
気温(乾球/湿球) | -0.5/ -1.5 | -1.0/ -2.0 | -2.0/ -3.0 | -3.0/ -3.9 | -4.0/ -4.8 | -5.0/ -5.8 | -10.0/ -10.5 |
使用水(L/min) | – | 80 | 120 | 170 | 220 | 270 | 435 |
使用水量(トン/日) | 115.2 | 172.8 | 244.8 | 316.8 | 388.8 | 626.4 |
比較結果
なんと、イエティにある巨大な造雪機(650トン/日)が造る雪を、たった1台の人工降雪機(626.4トン/日、マイナス10度の時)が降らせることができます。
ただ、人工降雪機の性能は気温により大きく変動し、マイナス1度だと、マイナス10度の時に約1/5の性能に落ちてしまいます。
それでも、気温が氷点下になれば、人工降雪機を大量導入し、一気にゲレンデを造ることができるのです。
最後に
どうしてもこの季節、気温にやきもきします。
来週から寒波が来ることが予想されているので、現在オープンしているスキー場は、今週持ちこたえれば、春まで安心できそうです。
2種類のスノーマシン、人工造雪機と人工降雪機 はこちら
コメント