毎シーズン、スノーヤーの間で沸き起こるヘルメット論争。
昨年、年々ヘルメットの着用率が上昇しているので、時間の問題でこの論争は無くなるというブログを書きました。
しかし、先ほど公開された、「2020/2021シーズン スキー場傷害報告書」でヘルメット着用率が激減していることが分かりました。
スキー場でのヘルメット論争はもうすぐなくなる!? はこちら
スキー場傷害報告書
スキー場傷害報告書は、スキー場に関連する団体が加盟し安全を高める方法を研究し話し合うための全国スキー安全対策協議会が毎年作成しています。
同協議会の事務所は、索道(ロープウェイ、ゴンドラ、リフトなど)事業にかかわる一般財団法人日本鋼索交通協会と同じ場所にあります。
同報告書では、全国の主要46か所のスキー場の2月のデータを利用し、利用者数ではなく輸送人員(1人が10回索道に乗ると、輸送人員10人)をカウントしています。
これらの条件を確認したうえで、ヘルメット着用率をみていきたいと思います。
今年のヘルメット着用率は一目瞭然、スキーヤーは2シーズン前、スノーボーダーは5シーズン前に急降下しています。
引用元:2019/2020シーズン スキー場傷害報告書
数字のマジック
このグラフをぱっと見た時、特にスノーボーダーのヘルメット着用率の減少が信じられませんでした。
過去8年、着用率は下がることがなく、右肩上がりだったのにです。
着用率が下がるにしても、スノーボーダーだけが、大きく減少する理由が思いつきません。
しかし、実際の減少者数をみると納得でした。
2021年2月の輸送人員は前年に比べて減少しており、減少分の輸送人員とヘルメット着用輸送人員数を算出し、ヘルメット着用率を算出したところ、スキーヤー62%、スノーボーダー59%とほぼ同じ割合でした。
すなわち、スキー場に足を運ばなかった60%前後の人がヘルメットを着用していたということで、スキーヤーとスノーボーダーに大きな違いはなかったということです。
スキーヤー | 2020年2月 | 2021年2月 | 減少数 |
輸送人員 | 1453万人 | 1009万人 | 444万人 |
内ヘルメット着用輸送人員 | 700万人 | 427万人 | 274万人 |
ヘルメット着用率 | 48% | 42% | 62% |
スノーボーダー | 2020年2月 | 2021年2月 | 減少数 |
輸送人員 | 12,22万人 | 9,85万人 | 2,37万人 |
内ヘルメット着用輸送人員 | 2,98万人 | 1,58万人 | 1,41万人 |
ヘルメット着用率 | 24% | 16% | 59% |
考察
では、スキー場に足を運ばなかった人はどのような人でしょうか。
ここで、もう一度輸送人員について考えてみたいと思います。
輸送人員は、スキー場の利用者数ではなく索道乗車回数で、初心者はあまりカウントに寄与しません。
すなわち、中上級者の動向が重要になってきます。
一方、着用率の高いのは、どのようなグループでしょうか。
ほぼ100%着用する競技やSAJ・SIAの行事参加者は、イベント自体がほとんどなくなったので激減しています。
そして、全体からしたら少数ですが、外国人観光客(欧米)が皆減したことも要因の一つです。
また、新型コロナウィルスで重篤化し易い、中高年の方が足を運ばなくなったことは、想像に難くありません。
これが、着用率が激減した理由と考えられます。
逆に言うと、ファッション性を重要視する若者は、慎重派に比べてスキー場に通ったということです。
着用率 高 | 着用率 低 | |
索道乗車数 多 |
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索道乗車数 小 |
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最後に
現在のペースでワクチンの接種が進めば、来るシーズンが始まる前には希望者のほぼ100%が2回の接種を終えています。
そうすれば、スキー場にも活気が戻り、ヘルメット着用率も元の上昇曲線に戻ると思います。
ちなみに私は、何度もヘルメットに助けられたことがあるので手放すことはできません。
多くの方にウインタースポーツを楽しんでほしいので、万が一に備えてほしいと思っています。
2019/2020 スキー場でのヘルメット論争はもうすぐなくなる!? はこちら
コメント
ヘルメット楽ですよね?
水が染み込むって事無いし、ゴーグルが曇り難いし、一度使うとやめられません。
いつぞやもゴーグルが飛んでいかない様にするバックル?のボタンがぶっ壊れてしまって。。。
その日のうちにポチッとな!ってしちゃいました。。。涙
ファッション?パトロールに手当てしてもらっているお姉さんの血が付いたニットを見たら、ヒィーってなるよ。。。俺無理!
板が頭に当たって切れることもありますよね。
私もヘルメットは手放せません。