スキーヤー、スノーボーダー、スキー場での衝突事故を少なくするために

スキー

楽しく滑っていたのに、一瞬でシーズンが終わってしまうこともある、ゲレンデでの衝突事故。
同じ雪山を愛するスノーヤーなのに、お互いの理解が足りず、論争になることもあるスキーヤーとスノーボーダー。
お互い少し気を付けることで、みんな楽しく滑れるようになると思います。
そこで、私の思うスキーヤー、スノーボーダー各々に気をつけていただきたい点を挙げてみたいと思います。
この方法が最善だというつもりはないので、他に気をつけることがあればぜひ実践してください。
最後の方に、衝突事故の割合を載せておきます。

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スキーヤーへの提言

フォールラインに向かってゲレンデの右側を滑る

私はなるべく、フォールラインに向かってゲレンデの右側を滑るようにしています。
スノーボーダーはレギュラースタンス(左足前)の方が圧倒的に多く、右ターンの場合、右側にはスキーヤー以上の視野があり、衝突を回避してくれる可能性が高いです。
逆に左ターンはブラインドとなり、スノーボーダーはほぼ見えていません。

スノーボーダーの背中が見えた時、追い抜かない

スノーボードは板に対して横に向いて乗っているので、左右のターンで視界が全く違います。
体が谷方向に向いている時、横に進んでいても後ろは全く見えていません。
スノーボードは想像以上に横方向に移動するので、追い抜くことはやめましょう。

スノーボーダーは急減速する、かもしれない

ある程度スノーボードが上手くなると、トリックを始めます。
一定速度で進んでいると思っても、急にその場に止まるかこともあると思ってください。
滑っていてジャンプや回転を行うと急減速するので、ぶつかってしまう可能性もあります。

法面の前には止まらない

かつては一番安全だった法面(斜面)を背にして止まるという行為ですが、今では危険をはらんでいます。
心無いスノーボーダーが斜面でターンを行ったりすることで、突っ込まれる可能性があります。
可能な限り、ネット(ロープ)の前など、後ろに滑るスペースがないところで止まってください。

人の間を飛ばさない

初心者の間を高速で滑る行為を見ることがあります。
大変残念なことですが、スキーの技術戦、レースが行われる会場では特に問題になります。
上級、それも相当上手い人なので自分の滑りに自信があるのかもしれませんが、大変な迷惑行為であり、スキーヤーの評判を落としていることを分かってほしいです。

 

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スノーボーダーへの提言

スタートするときに真横をみる

フォールライン方向への移動速度は、スキーの方が早いです。
スノーボーダーの方が先に滑りだすと、ラインが重なる可能性が高まります。
滑りだす前に、真横を見てスキーヤーがいたら先に行かしてあげてください。
そうすれば、ラインを気にせずに滑ることができます。

グラウンド・トリック、フルカービングをする時は山側を確認

グラウンド・トリック(グラトリ)の急に速度が遅くなる動き、フルカービングの横方向への伸びる滑り、スノーボードを経験したことのないスキーヤーにとっては予測できない人が多くいます。
前を滑っていて優先権があると言っても衝突されて怪我をしてはもともこもありません。
グラトリ、フルカービングをする時には直前に山側をしっかり確認して行ってください。

ロープの外に出ない

ゲレンデの危険のある場所にはロープが張ってあります。
しかし、新雪など降ると、ロープの外に出る人が後を絶ちません。
楽しいから、という理由でロープ外に出ると大怪我をすることがあります。
切株が有ったり、大きな段差が有ったり、危険だらけの場所であることを認識する必要があります。

真横に並ばない

特に友達と滑っているときですが、真横に何人かが並んでいることがあります。
スノーボードは150cm以上あるので、二人並ぶと300cm以上、3人だと450cm以上になります。
たとえ、ブーツ装着時でもこれだけ横幅をとられるとよけるのが大変です。
ましてや、ゲレンデの中だと、避けるのも難しくなります。
少し会話しずらいかもしれませんが、フォールラインに向かって上下に座るように気を使ってください。

スキーヤーからすると、3人も横に並ばれると通る場所が無くなり、数十センチのボードとボードの間を、たとえ片足スキーでも通っていきます。
これは、スキーヤーが嫌がらせをしているのではなく、通路が無くて仕方なしに行っていることです。

リーシュコードは必須

昨年もスノボードが流されて、間一髪子供の横をすり抜けていくのを見ました。
ゲレンデでリーシュコードは、絶対に外さないでください。
ゲレンデで休憩している時もです。
この話の時、スキーはリーシュコードを着けていないので、スノーボードだけがつけるのは不公平だという人がいます。
かつては、スキーもリーシュコードを着けていたんです。
しかし、ストッパーが開発され、今では外れてもそのまま流れていくことはほぼありません。
可能性がゼロとは言いませんが、スキーの初心者が1日に何度となく転げて板を外しても流されていないのが良い例です。

ビンディングを下にして置く

板から両足を外すときにリーシュコードも一緒に外していませんか。
これは仕方のないことですが、何らかの理由で板を外すときは、必ずビンディングを下にしてスノーボードを置いてください。
そして、少し雪に埋めるなど動かないことを確認してください。
ゲレンデを高速で滑り落ちるスノーボードは、途中で止めることはできません。
崖から落ちてスノーボードが無くなるぐらいであればお金で解決できますが、人にぶつかり大けがをさせると被害者はもちろん、あなたの心にも大きな傷が残ることになります。

 

人との衝突

それでは、人との衝突がどのくらい起こっているか見てみましょう。
報告書の中で人との衝突は314件とあります。
上記データとグラフから計算すると、受傷時の相手はスキーヤー117名、スノーボーダー191名となります。
(どちらに非があるかは触れられていないので、あくまで相手が誰であったかです)
スキーヤーも注意が必要ですが、スノーボーダーはより多くの注意を払う必要がありそうです。


出典:全国スキー安全対策協議会 2021/2022シーズン スキー場傷害報告書、受傷原因「人と衝突」の内訳

 

最後に

私も一度、衝突事故を起こし、そのシーズンを棒に振ったことがあります。
スキー、スノーボードは車並みの60km以上のスピード出すことができ、衝突すると無事ではすみません。
みんなが安全に注意を払い、楽しく滑れること願っています。

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