雪国新潟県は、富山県側から上越、中越、下越地方に分かれます。
新潟市など12市町村からなる下越地方は、他の地域に比べて標高が低く、また、降雪量も少なくスキー場の規模も小さめです。
経営状況が厳しい中、昨シーズンの小雪の影響で営業が行えなかったこともあり、なんと今シーズンは下越地方5スキー場の内、2つが廃止濃厚・営業中止、1つが営業エリア縮小となりました。
下越地方のスキー場
下越地方には北から、村上市営ぶどうスキー場、わかぶな高原スキー場、国設胎内スキー場、ニノックス スノーパーク、三川・温泉スキー場と5か所のスキー場がありますが、昨シーズン営業できたのはニノックスのみでした。
注)胎内スキー場はちびっこパークのみ営業
このような状況な中、村上市営ぶどうスキー場は新型コロナウイルスの影響で今シーズンの営業中止、わかぶな高原スキー場は廃止濃厚です。
また、ニノックス スノーパークは、上級者コースにアクセスできる第2クワッドリフトの今シーズンの運休を発表しており、初中級者向けのゲレンデとして運営予定です。
利用者数
下越地方の5つのスキー場の2014/15シーズンからの利用者数の推移です。
スキー場の標高が低く、降雪量により営業日数が影響され、結果として利用者数の変動がありますが、過去5年間の平均で年間約18万人の利用者がありました。
地理的環境
次に5つのスキー場の位置を見てください。
わかぶな高原とニノックスは直線距離で約20km で、そのほぼ中間地点に胎内スキー場が位置しています。
ぶどうスキー場と三川温泉スキー場は地理的に少し離れています。
注)わかぶな高原スキー場は胎内スキー場の右上のマークの位置です。
胎内スキー場が注目の理由
胎内スキー場ですが、一度は今シーズンの営業中止を発表しました。
しかし、営業を熱望する利用者などから、市の呼びかけに応じ2千3百万円以上(9月29日時点)の支援金が集まり、今シーズンの営業が決まりました。
話は戻って、先ほどあげた下越地方のスキー場利用者ですが、約18万人のうち15万人は胎内、わかぶな高原、ニノックスの利用者です。
わかぶな高原が廃止(濃厚)、ニノックスが初中級者に注力となれば、両スキー場から約10 kmと距離的に近い胎内スキー場の潜在的利用者数は12、13万人いることになります。
また、魅力を高め利用者数が15万人となれば、新潟県内でも10番前後、全国でも50番前後の規模のスキー場になります。
今までも何度かお話ししたように、スキー場利用者は最盛期の1/3に減少しましたが、スキー場の数は、2割ほどしか減っておらず、供給過剰な状況が続いています。
多くのスキー場は赤字に苦しみ、リフトの架け替えなどの費用の捻出が難しく、じり貧状態が続いています。
一方、スキー場利用者はここ十年安定しているので、適正な数のスキー場となれば、産業としての再興は可能です。
また、地方における道路網の整備によって、車での移動はスムーズに行えるようになり、魅力あるより遠くのスキー場を訪れることができるようになりました。
今シーズン、胎内スキー場が近隣2スキー場の需要を取り込めるのであれば、地域のスキー場統合のモデルとなるでしょう。
最後に
胎内スキー場にとって、今シーズンは勝負の年だと思います。
新潟県下越地方の盟主となり、全国のスキー場の再興の手本となってほしいと思っています。
最後になりますが、スキー場経営が安定し、スキー場産業が再興することを期待してやみません。
コメント
ニノックス以外は標高が低く、近年年末年始に営業できない事も。
年末年始に営業できれば利用者数ももう少し伸びると思うのですが。
雪無し県の方は湯沢方面で雪が重い、雪質悪いなんて言わないで下さいね。下越なんてもうひどいんだから。
腐った雪が降ってくるって表現が正解?言い過ぎ?
地域にひとつは規模の大きなスキー場は必要だと思うので、胎内には頑張ってほしいです。利用者を増やして、降雪機でどんどん雪を降らすことができればいいですね。
整地されていれば、どんな雪でも大丈夫です。
さすがに、重たい新雪は厳しいです(笑)
胎内スキー場は昨年ナイター照明をLED化したみたいです。雪が降らなかったので一度も活躍しませんでしたが。
降雪機ってすごいですよね。限定的であっても、定めた時期に、確実に営業できる。
私個人的には「たまには良い雪質を滑りたい」と浮気せず、貢献したいと思います!
すみません。嘘つきました。たぶん浮気する。
だって雪煙り出ないんすよ。
一度だけ、数年前のラニーニャだった時だけです。
今年は期待!
今年は期待して、いいのではないですか。
一か所で滑り続ける人の方が稀なので、いろんなところで滑ってもいいと思いますよ。
自分は新潟市在住なので僅かではありますが寄付をしました。コース構成はあらゆるレベルのスキーヤー、スノーボーダーにとって十分魅力的なスキー場だと思います。いかんせんこれまでは胎内市の損失補填に頼っていたため経営努力や営業努力は3流だったので奮起を期待しています。
あれだけの額が集まるということは、みんなから親しまれているスキー場と言いうことですよね。
どんな仕事でも経営努力は必要です。このチャンスを活かして、より魅力を高めてほしいですね。